入居者が死亡! 原状回復は誰の負担になるのか? 死亡時の対応も紹介

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「入居者が死亡した場合、原状回復費用は誰が負担するのか?」とお困りではありませんか? 賃貸物件のオーナーにとって、入居者の死亡は大変な問題です。死亡した状況によっては高額な原状回復費用がかかるため、その負担が誰にいくのか、心配になるのは当然のことでしょう。

この記事では、入居者が死亡したときの対応や原状回復費用の負担などについて詳しくご紹介します。

  1. 入居者が死亡、原状回復は誰の負担になるのか?
  2. 入居者が死亡したときの対応を紹介
  3. 入居者が死亡した場合、原状回復の手順は?
  4. 入居者が死亡したら告知義務はあるのか?
  5. 入居者死亡時の原状回復に関するよくある質問

この記事を読むことで、入居者死亡時にオーナーが対応すべきことや、原状回復費用の相場などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.入居者が死亡、原状回復は誰の負担になるのか?

入居者が死亡した場合の原状回復は誰の負担になるのか、いくつか事例を挙げてご紹介しましょう。

1-1.社宅に居住していた社員が病死したケース

社宅として会社が借りていた物件で、社員が脳いっ血により亡くなったケースです。もともと健康上の問題はなく、突然の発症であったことから、入居者や会社の雇用主には過失がないと判断されました。そのため、借り主に原状回復義務は発生しませんでした。

1-2.病死後、腐敗した状態で死体が発見されたケース

心臓疾患で入院していた入居者が、退院後に突然の症状悪化で死亡したケースです。亡くなってから1週間後に発見されたため、死体は腐敗しており、部屋中が汚物や体液・悪臭の影響を受けていました。貸し主は亡くなった借り主の相続人に損害賠償責任を求めましたが、裁判の結果、債務不履行責任は認められず、原状回復義務だけを相続人が負うことになったのです。

1-3.入居者が刺殺されたケース

入居者が居室内で刺殺され、連帯保証人である両親に原状回復費用を請求したケースです。裁判の結果、刺殺された入居者には過失がないと判断され、両親に対する原状回復責任は認められませんでした。

2.入居者が死亡したときの対応を紹介

入居者が死亡したときの対応を手順ごとにご紹介しましょう。

2-1.家族と警察に連絡する

隣室住民からの通報や異臭の発生などにより、入居者が死亡している可能性があるときは、まず、家族と警察に連絡をしましょう。警察が事件性の有無を確認する必要があるため、スペアキーを使って勝手に入るのはやめてください。事件性がないと判断された場合は、家族に遺体の運搬や葬儀社の手配などをしてもらいましょう。

2-2.死亡状況を確認する

特殊清掃の必要性や原状回復の程度を決めるために、家族や連帯保証人から死亡状況を確認しましょう。亡くなっていた場所や亡くなってからの経過時間・死因などを確認し、後からトラブルにならないようしっかりメモに残してください。

2-3.家族や連帯保証人と話し合いをする

家族や連帯保証人と話し合いをし、今後について決めましょう。いつ賃借契約を解除するのか・原状回復費用の負担をどうするのかなど、しっかり話し合いをしてください。

3.入居者が死亡した場合、原状回復の手順は?

入居者が死亡した場合の原状回復は、どのような手順で行えばよいのでしょうか。

3-1.まずは遺品整理を

原状回復のためのクリーニングやリフォーム工事を行う前に、まずは遺品を片づけなければなりません。基本的には家族や連帯保証人が行うものですが、事情があって不可能な場合は遺品整理業者に依頼するのも一つの方法です。短時間で効率よく遺品を片づけてもらえるため、早めに次の段階へ進むことができます。

3-2.特殊清掃を行う

遺体が腐敗しており、室内が体液や汚物の影響を受けていた場合などは、特殊清掃が必要になります。特殊清掃では、悪臭の原因となるものを除去し、消臭や消毒・害虫駆除などの作業を行うことが必要です。特殊な道具や専門知識が必要になるため、業者に依頼することをおすすめします。

3-3.リフォームによる原状回復が必要な場合も

必要な場合はリフォームによる原状回復を行います。床材や壁紙・畳など、遺体の体液がしみ込んでしまったものを新しいものに交換することも考えなければなりません。特殊清掃だけでは不十分な場合も多いのです。

4.入居者が死亡したら告知義務はあるのか?

入居者が死亡した場合の告知義務についてご紹介しましょう。

4-1.自殺や他殺の場合は告知義務が発生する

自殺や他殺で入居者が死亡した場合、告知義務が発生します。明らかに自然死ではないため、次の入居者を募集する際は「心理的瑕疵(かし)物件」として告知する義務があるのです。

4-2.遺体の損傷が激しい場合も告知が必要

入居者が自然死した場合でも、遺体の損傷が激しかった場合は告知が必要になります。特殊清掃はもちろんのこと、リフォーム工事が必要になる場合が多いため、工事済みであることを含めて告知して募集をかけることになるでしょう。

4-3.自然死で早期発見できた場合、告知は不要

入居者の死因が自然死で、早期発見できて腐敗が進んでいなかった場合などは、告知する必要がありません。病気や老衰によって居室内で自然死することは、珍しいことではないのです。次の入居者から質問された場合は簡単に答える程度にしておき、詳しいことを話す必要はありません。

5.入居者死亡時の原状回復に関するよくある質問

「入居者が死亡した場合の原状回復について知りたい」という人が感じるであろう疑問とその回答をまとめました。

Q.原状回復費用を敷金から差し引いても問題ありませんか?
A.遺体の損傷が少なく、物件にほとんどダメージを与えていない場合などは、敷金から原状回復費用を差し引いてもよいでしょう。

Q.告知せずに入居者の募集を行うとどうなりますか?
A.告知義務違反に該当するため、やめたほうがよいでしょう。また、次の入居者が事実を知った場合、損害賠償を請求される可能性もあります。

Q.遺品整理と特殊清掃を同時に依頼することは可能ですか?
A.ゼロプラスでは、遺品整理と特殊清掃を同時に受け付けています。こちらから無料見積もりを受け付けているのでチェックしてみるとよいでしょう。

Q.遺品整理業者選びのポイントを教えてください。
A.豊富な実績があるか・料金体系が分かりやすいか・無料見積もりを受け付けているか・遺品整理士が在籍しているかなどをチェックすることをおすすめします。

Q.どうすれば入居者の死亡を避けることができるのですか?
A.確実な方法はありませんが、入居者の年齢制限をもうけるなどして確率を減らすことは可能でしょう。

まとめ

入居者が死亡した場合の原状回復や告知義務について詳しくご紹介しました。入居者が死亡して原状回復が必要になった場合、その費用は誰が負担することになるのか、不安になるオーナーの方も多いでしょう。ケースによって異なる事例がいくつも報告されているため、ぜひ参考にしてみてください。