生前整理は必要? 知っておいた方がいい3つのポイント

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生前整理という言葉をご存知ですか?

遺品整理なら聞いたことがあるという方が多いかもしれません。うちには財産もさほどないし、自分には関係ないと思われる方もいらっしゃるでしょう。生前整理は、亡くなってからではなく、生きている間に身の回りの整理をして自分にまつわる荷物を減らしておくことです。介護が必要になり、老人施設に入る場合や、病気になってしまうなど、いつ何があるかわからないものでしょう。こんな時にあわてないために、生前整理をする必要性がでてくるのです。ここでは、知っておいた方がいい3つのポイントをご紹介します。

  1. 生前整理が必要な人とは?
  2. 生前整理に含まれる法的手続き
  3. まとめ

1.生前整理が必要な人とは

1-1.生前整理とは

生前整理は、生きている間に、なるべく自分のものを減らし、色々なものの行く先を決めておくことです。持っている財産やものが多い人ほど、生前整理が必要でしょう。一番に考えるべきことは、残された家族がどういう行動をとるかということです。たとえば、生まれた時から最近までの写真の数々。何十冊ものアルバムになっていたとしたら、ある程度抜粋して大事な写真だけとっておくようにしたらどうでしょうか。写真はその人が映っているだけに、遺族が一番整理しにくいもののようです。

1-2.生前整理をすべき時期

生前整理は、かなり力と根気が必要です。ですから、本当に年をとってしまって、体が弱ってしまってからでは遅いということになります。一つの目安ですが、定年退職をする60歳ぐらいが、生前整理を始めてもいい時期です。仕事が一段落して、生活スタイルが変わり、時間に余裕ができた時に、少しずつ始めてみましょう。

また、引越しや、入院、施設に入る時も、生前整理にはいいきっかけになると思います。まわりの方にお願いすれば、ある程度お手伝いをしてくれるかもしれません。手が足りない時は、便利屋さんや、家事サービスなどを利用するといいでしょう。

1-3.生前整理が必要な人

自分が亡くなった時に、誰も継ぐ人がいないのか、それとも子供が多くて相続人が多いのか、それぞれの事情や個人差があると思います。でも、どのパターンでも、人に迷惑をかけないようにするという点では、すべての人に生前整理が必要でしょう。大事なペットと暮らしている場合でも、万が一の場合に誰にペットを世話してもらうか、必ず決めておかなければなりません。不動産を所有している場合も、遺族でもめないように、きちんと法的に割り振りを考えておくべきでしょう。

生前整理はすべての人に必要なんですね。
それぞれの事情や個人差はありますが、亡くなった後に人に迷惑をかけたくないという点は共通しているでしょう。

2.生前整理に含まれる法的手続き

生前整理には、法的な手続きもからんできます。実際に手続きをするのは、亡くなってからと考えてよいですが、遺言書は生前に書いておくべきものです。

2-1.相続させるものとは

亡くなった後の相続というと、不動産の相続が思い浮かぶと思いますが、実は法律上、その人が残したものすべてを、法定相続人が相続することになります。ですから、不動産については遺言書を作ってあったとしても、それ以外について書かれていなければ、不充分ということになるでしょう。たとえば、ペットについても遺言書にきちんと書いておけば、もめずにすみます。相続に詳しい税理士に相談するなどして、相続させるすべてのものについて検討しておきましょう。

2-2.不動産

不動産については、収益を生むものか、換金性があるかどうかの把握から始まります。田舎の土地で、親が亡くなって相続したまま何十年もそのままにしていたら、実は近所の人が勝手に家を建てていて、居住権が発生している…なんていうトラブルもよくあるのです。こういったケースも含めて、不動産の相続のプロに任せた方が、痛い目にあわなくてすむと思います。

また、持っている不動産が高額であればあるほど、相続人があとからもめることになるでしょう。いわゆる骨肉の争いです。長男と同居していて、一番世話になっているので、長男だけに相続させたいといっても、遺言書がなければ、法的には妻・兄弟・その他相続人に、公平に相続割合にのっとって相続することになります。このような話し合いも含めて、生前整理が必要です。

2-3.借金

人によっては、事業を行うために借金がある場合もあります。また、年をとってからの収入減により、借金をせざるを得ない状況にあるかもしれません。借金については、基本的に亡くなった場合も、その支払いの義務は相続人のところに行きます。財産がプラスであってもマイナスであっても、相続されるということです。このあたりも明確にして、生前のうちに相続人に説明をしておく必要があります。相続人は、借金返済を拒否する場合、相続放棄をしなければなりません。この場合、借金だけ相続放棄をできるというわけではなく、財産についてもすべて相続放棄をすることになります。詳しくは、税理士に相談してみてください。

生前整理には、法的な手続きも関係してくるんですね。
実際に手続きをするのは亡くなってからでも、遺言書は生前に書いておかなければなりません。相続させるもの、不動産、借金など、プロに相談してスムーズに手続きが行われるようにしましょう。

3.まとめ

生前整理なんて自分にはあまり関係ないのでは?  と思っていた方でも、自分にも該当しそうだということがおわかりいただけたでしょうか。いざというときに、自分の不本意な形で色々なものが処分されてしまうのは、悲しいものです。まず、自分に必要な生前整理のポイントを把握し、相続人にも同じような認識を持ってもらいましょう。できるところからでいいので、少しずつ生前整理を始めてみませんか。