敷金なし物件で退去時に負担する費用は? 借主が支払う費用相場について

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「敷金なしの物件では、退去時にお金がかかるのでは?」「借り主の負担が一気に押し寄せてくるのでは……」など、敷金なし物件における退去時の費用で悩んでいる方は多いでしょう。そもそも、敷金とはどのようなものなのか・退去時にはどのようなことにお金がかかるのか具体的に把握していない方が多いはずです。

そこで、本記事では、敷金や退去時に借り主が負担する費用などについて解説します。

  1. そもそも敷金とは?
  2. 敷金なし物件で借り主が退去時に負担する費用は?
  3. 本来オーナーが負担する部分は?
  4. 契約内容で注意したい点は?
  5. 敷金なし物件の退去時に関してよくある質問

この記事を読むことで、敷金なし物件で借り主が負担する費用の相場や退去時の注意点などが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.そもそも敷金とは?

まずは、敷金が一体どのような意味を持っているのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.保証金のような意味を持つ

簡単に説明すると、敷金は保証金のような意味を持つ初期費用のことです。新居で生活をする際、初期費用として敷金と礼金を支払うケースがほとんどでしょう。礼金は昔からある慣習の1つで、部屋を貸してくれる大家さんにお礼の気持ちを込めて渡されるものです。一方、敷金は家賃など債務の担保として預けておく保証金の役割を担っています。何らかの理由で家賃を払い続けることができなくなった場合、敷金で補塡することになるでしょう。また、退去時に、借り主の原状回復義務に必要な修理負担分が敷金でまかなわれます。

1-2.基本的に退去時には戻ってくるお金

初期費用として敷金を支払っている場合、基本的には退去時に戻ってくることになります。原状回復義務にかかる費用が少なくなればなるほど、支払った金額に近いお金が手元に戻ってくるようになるでしょう。ただし、家賃を滞納していたり、借り主の不注意で賃貸物件の破損等があったりする場合は敷金から差し引かれることになります。つまり、状況によっては敷金が返ってこないケースもあり得るということです。

2.敷金なし物件で借り主が退去時に負担する費用は?

では、敷金なし物件の場合、借り主が退去時に負担する費用はいくらぐらいになるのでしょうか。

2-1.原状回復費用

敷金なし物件の場合、退去費用に充てるお金がないということになります。そのため、退去費用のすべてを自分で支払わなければなりません。そこで、退去費用の大半を占めることになるのが原状回復費用です。原状回復とは、賃貸物件を退去する際、入居時の状態に戻すことを指しています。原則として、経年劣化でできた汚れや破損は貸し主側の負担となりますが、借り主が故意的に汚損・破壊したものがあれば、その修理費を負担するのが一般的です。敷金を支払っていれば、敷金から退去費用が支払われますが、敷金なし物件はそもそも支払っているお金がないので原状回復費用を新たに払う必要があります。部屋の広さや破損の有無などによって異なりますが、約4万〜8万円が目安となるでしょう。

2-2.ハウスクリーニング代

退去費用の中には、ハウスクリーニング代も含まれている可能性があります。ハウスクリーニングの定義は、専門業者による住宅の清掃サービスです。貸し主や借り主自身が清掃作業をするのではなく、専門業者によって汚れを徹底的に掃除することになります。下記に、ハウスクリーニングの主な清掃内容をまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • エアコン清掃
  • 床の清掃
  • ワックスがけ
  • 汚れた壁紙クロスの清掃や張り替え
  • キッチン・バス・トイレなど水まわりの清掃
  • ベランダ清掃

なお、ハウスクリーニングの範囲は貸し主の判断となります。きちんとハウスクリーニングをしなければ次の借り主が現れないので、しっかりと行う貸し主もいるでしょう。あくまで目安ですが、ハウスクリーニング代は~30㎡以内で約15,000~30,000円、30~50㎡以内で約30,000~50,000円、50㎡以上で約50,000円~となります。

2-3.借り主が負担すべき範囲をチェック!

敷金なし物件の場合、原状回復費用が大半を占めることになりますが、ここでのポイントは借り主が負担すべき原状回復の範囲です。原状回復の義務が生じるのは、借り主が故意的に汚損・損傷した部分であって、通常使用して汚れる経年劣化などは費用負担の範囲外となります。ただし、通常使用の定義があやふやな部分があるので、具体的に借り主が負担すべき範囲をチェックしておきましょう。

  • 壁や床の水漏れが原因の腐食
  • クロスの傷や落書き
  • フローリング・畳・カーペットの傷や汚れ
  • タバコのヤニ汚れやにおい・焦げ跡
  • ドア・障子・網戸の傷や破損

3.本来オーナーが負担する部分は?

では、本来、オーナーが負担する部分はどの範囲になるのでしょうか。

3-1.家具の設置跡やへこみ

基本的に、オーナーが負担することになるのは経年劣化で汚れたり傷がついたりしている部分です。その中には、家具の設置跡やへこみも含まれています。床に家具を置いていると、そこに接地跡やへこみができるのは当たり前です。普通に生活していても起こり得ることなので、通常使用の範囲内となります。よって、フローリングがへこんだり、家具の設置跡がついたりした場合は、借り主ではなく貸し主の負担になるでしょう。

3-2.壁に空(あ)いた画びょうの穴も

壁に空いた画びょうの穴は借り主が負担しなければならない修繕費と思いがちですが、貸し主が負担する部分です。壁にカレンダーをかけたり、時計を設置したりする際にできる穴は、生活する上で通常しようと認められることになります。けれども、何度も画びょうを指して広がった穴や、太いネジを埋め込んだことによって大きな穴ができた場合は、借り主の負担になるでしょう。また、ポスターをたくさん貼ってできた穴も、貸し主によっては借り主負担になる可能性があります。通常使用の範囲を超えているか否かが、大きなポイントです。

3-3.フローリング・畳・壁紙の日焼け

前述したように、貸し主が負担するのは経年劣化でついた傷や汚れがほとんどです。そのため、フローリングや畳・壁紙の日焼けも経年劣化となり、貸し主が負担することになります。普通に住んでいても日焼けは起きるものなので、借り主が負担する必要はありません。通常使用の範囲内とみなされるからこそ、フローリング・畳・壁紙の日焼けで修繕費が必要だといわれた場合は注意が必要です。具体的にどの部分のことをいっているのか、貸し主と話し合う必要があります。

3-4.家電の裏についた黒いシミ

冷蔵庫や洗濯機・電子レンジ・炊飯器などの家電を長期間同じ場所に置いていると、その裏側の壁紙が黒く汚れてしまうことがあります。家電の裏についた黒いシミは、貸し主が負担することになる部分です。家電の使用は日常生活でごく当たり前のことなので、それらで汚れた部分は通常使用の範囲内となります。黒いシミがついた壁紙の張り替えやクリーニング費用は、貸し主の負担になることを覚えておいてください。

4.契約内容で注意したい点は?

ここでは、契約内容で注意しておきたいポイントについて解説します。

4-1.原状回復特約を確認する

契約内容で注意したいポイントは、原状回復特約です。原状回復特約は、賃貸借契約書と一緒に結ぶことになる特約で、ある程度の原状回復費用を入居者に負担させるという内容が記されています。退去時に、どこからどこまでを借り主が負担することになるのか・貸し主が負担する部分など、具体的な原状回復の内容が記載されているので必ずチェックしておかなければなりません。特約を結ぶときは、これらの内容を具体的に明示する必要があります。大家さんによって特約の内容や基準は異なりますが、クリーニング費用として部屋の広さに応じて費用を定めるのが一般的です。

4-2.敷引き特約も要チェック!

新居の契約時は、敷引き特約もチェックしておきたいポイントです。敷引きとは、敷金の中から原状回復費用を一定金額差し引くことを表しています。つまり、敷金1か月分と記載されている場合、退去時には敷金から約1か月分の金額が退去費用から差し引かれるというわけです。できるだけ、初期費用を抑えるために敷金・礼金なしの住居を選んでしまう人が多いでしょう。けれども、原状回復特約や敷引き特約の内容によっては敷金を支払ったほうが退去時にお金がかからないというメリットがあります。そのときの財布事情を踏まえた上で、敷引き特約もチェックしておきましょう。

4-3.退去時は負担するべき金額を確認する

敷金なし物件の退去時は、借り主が負担すべき金額をきちんと確認することも大切です。中には、契約時に、原状回復特約の内容についてきちんと確認していなかったという人もいるでしょう。もし、手元に契約書があれば、引っ越しする旨を大家さんに伝える前に確認しておいたほうがいいかもしれません。そして、契約内容を踏まえながら、退去時に部屋の状態をチェックしてください。どこを原状回復するのか・どの部分を借り主が負担することになるのか・金額はいくらになるのか確認することが大切です。

5.敷金なし物件の退去時に関してよくある質問

敷金なし物件の退去時に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.敷金がゼロになることが多いケースは?
A.多くの物件は、約1~3か月分の家賃分が敷金として設定されています。けれども、中には敷金なしの物件もたくさん存在しているのが事実です。主に、以下のようなケースが敷金なしになっているでしょう。

  • 退去時のクリーニング代や修繕費用が全額自己負担の場合
  • 駅から遠く、交通アクセスが悪い物件
  • 長期間空室になっている物件
  • 家賃が相場よりも高いケース
  • 住環境が悪いケース
  • 築年数が古い物件

借り主側にとっては、敷金がないと初期費用を抑えることができるため、部屋が借りやすくなるメリットがあります。けれども、退去時に修繕費がかかる可能性があるので、その点を踏まえておかなければなりません。

Q.修繕箇所ごとの費用の目安は?
A.修繕箇所ごとの費用の目安を下記にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

  • 壁紙の張り替え:1㎡あたり約750~900円
  • ふすまの張り替え:1枚あたり約3,000~4,500円
  • トイレの水垢・カビの清掃:約5,000~8,000円
  • 床材についた汚れ:1か所あたり約10,000円
  • サッシのカビ清掃:1か所あたり約10,000~20,000円
  • 浴室の水垢・カビの清掃:約10,000~20,000円
  • キッチンの油汚れ清掃:約15,000~25,000円
  • 床材の張り替え:1枚あたり約8,000~10,000円
  • 壁紙の張り替え:6畳全面で約30,000~40,000円

Q.退去時によくあるトラブルは?
A.よくあるのは金銭トラブルです。「入居時からあった傷や汚れに対して修繕費を要求された」「ハウスクリーニング費用として法外な請求をされた」などのトラブルが起きています。原状回復等でトラブルになったときは、できるだけ早めに国民生活センターへ相談してください。

Q.退去費用のトラブルを避けるコツは?
A.入居時の写真を残しておくことです。入居時からあった汚れや傷は、借り主が負担すべき部分ではありません。写真に残しておくと、自分がつけた傷や汚れではないという証拠になります。また、契約書を細かくチェックしたり、退去費用の相場を把握したりすることも大切なコツです。

Q.タバコのヤニや汚れは借り主の負担になるのか?
A.タバコは経年劣化には含まれないため、借り主が修繕費を負担することになります。タバコによってクロスににおいがついたり、焦げ跡が残ったりする場合は、クロスの張り替えが必要です。また、タバコの火の不始末によってフローリングが汚れてしまった場合も、フローリングの補修や交換費用を負担しなければなりません。

まとめ

敷金は退却時に戻ってくるお金ですが、修繕費がかかる場合は戻ってこないこともあります。そのため、敷金なし物件の場合、修繕費やクリーニング代を退去時に支払わなければなりません。ただし、契約内容や管理会社・大家さんによって退去時の条件が異なります。また、基本的に、修繕費は経年劣化以外の修理に充てられるものです。どこからどこまで借り主が負担することになるのか、きちんと定められていないところもあるため、管理会社や大家さんとの話し合いが必要になるでしょう。

1.そもそも敷金とは?

まずは、敷金が一体どのような意味を持っているのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.保証金のような意味を持つ

簡単に説明すると、敷金は保証金のような意味を持つ初期費用のことです。新居で生活をする際、初期費用として敷金と礼金を支払うケースがほとんどでしょう。礼金は昔からある慣習の1つで、部屋を貸してくれる大家さんにお礼の気持ちを込めて渡されるものです。一方、敷金は家賃など債務の担保として預けておく保証金の役割を担っています。何らかの理由で家賃を払い続けることができなくなった場合、敷金で補塡することになるでしょう。また、退去時に、借り主の原状回復義務に必要な修理負担分が敷金でまかなわれます。

1-2.基本的に退去時には戻ってくるお金

初期費用として敷金を支払っている場合、基本的には退去時に戻ってくることになります。原状回復義務にかかる費用が少なくなればなるほど、支払った金額に近いお金が手元に戻ってくるようになるでしょう。ただし、家賃を滞納していたり、借り主の不注意で賃貸物件の破損等があったりする場合は敷金から差し引かれることになります。つまり、状況によっては敷金が返ってこないケースもあり得るということです。

2.敷金なし物件で借り主が退去時に負担する費用は?

では、敷金なし物件の場合、借り主が退去時に負担する費用はいくらぐらいになるのでしょうか。

2-1.原状回復費用

敷金なし物件の場合、退去費用に充てるお金がないということになります。そのため、退去費用のすべてを自分で支払わなければなりません。そこで、退去費用の大半を占めることになるのが原状回復費用です。原状回復とは、賃貸物件を退去する際、入居時の状態に戻すことを指しています。原則として、経年劣化でできた汚れや破損は貸し主側の負担となりますが、借り主が故意的に汚損・破壊したものがあれば、その修理費を負担するのが一般的です。敷金を支払っていれば、敷金から退去費用が支払われますが、敷金なし物件はそもそも支払っているお金がないので原状回復費用を新たに払う必要があります。部屋の広さや破損の有無などによって異なりますが、約4万〜8万円が目安となるでしょう。

2-2.ハウスクリーニング代

退去費用の中には、ハウスクリーニング代も含まれている可能性があります。ハウスクリーニングの定義は、専門業者による住宅の清掃サービスです。貸し主や借り主自身が清掃作業をするのではなく、専門業者によって汚れを徹底的に掃除することになります。下記に、ハウスクリーニングの主な清掃内容をまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • エアコン清掃
  • 床の清掃
  • ワックスがけ
  • 汚れた壁紙クロスの清掃や張り替え
  • キッチン・バス・トイレなど水まわりの清掃
  • ベランダ清掃

なお、ハウスクリーニングの範囲は貸し主の判断となります。きちんとハウスクリーニングをしなければ次の借り主が現れないので、しっかりと行う貸し主もいるでしょう。あくまで目安ですが、ハウスクリーニング代は~30㎡以内で約15,000~30,000円、30~50㎡以内で約30,000~50,000円、50㎡以上で約50,000円~となります。

2-3.借り主が負担すべき範囲をチェック!

敷金なし物件の場合、原状回復費用が大半を占めることになりますが、ここでのポイントは借り主が負担すべき原状回復の範囲です。原状回復の義務が生じるのは、借り主が故意的に汚損・損傷した部分であって、通常使用して汚れる経年劣化などは費用負担の範囲外となります。ただし、通常使用の定義があやふやな部分があるので、具体的に借り主が負担すべき範囲をチェックしておきましょう。

  • 壁や床の水漏れが原因の腐食
  • クロスの傷や落書き
  • フローリング・畳・カーペットの傷や汚れ
  • タバコのヤニ汚れやにおい・焦げ跡
  • ドア・障子・網戸の傷や破損

3.本来オーナーが負担する部分は?

では、本来、オーナーが負担する部分はどの範囲になるのでしょうか。

3-1.家具の設置跡やへこみ

基本的に、オーナーが負担することになるのは経年劣化で汚れたり傷がついたりしている部分です。その中には、家具の設置跡やへこみも含まれています。床に家具を置いていると、そこに接地跡やへこみができるのは当たり前です。普通に生活していても起こり得ることなので、通常使用の範囲内となります。よって、フローリングがへこんだり、家具の設置跡がついたりした場合は、借り主ではなく貸し主の負担になるでしょう。

3-2.壁に空(あ)いた画びょうの穴も

壁に空いた画びょうの穴は借り主が負担しなければならない修繕費と思いがちですが、貸し主が負担する部分です。壁にカレンダーをかけたり、時計を設置したりする際にできる穴は、生活する上で通常しようと認められることになります。けれども、何度も画びょうを指して広がった穴や、太いネジを埋め込んだことによって大きな穴ができた場合は、借り主の負担になるでしょう。また、ポスターをたくさん貼ってできた穴も、貸し主によっては借り主負担になる可能性があります。通常使用の範囲を超えているか否かが、大きなポイントです。

3-3.フローリング・畳・壁紙の日焼け

前述したように、貸し主が負担するのは経年劣化でついた傷や汚れがほとんどです。そのため、フローリングや畳・壁紙の日焼けも経年劣化となり、貸し主が負担することになります。普通に住んでいても日焼けは起きるものなので、借り主が負担する必要はありません。通常使用の範囲内とみなされるからこそ、フローリング・畳・壁紙の日焼けで修繕費が必要だといわれた場合は注意が必要です。具体的にどの部分のことをいっているのか、貸し主と話し合う必要があります。

3-4.家電の裏についた黒いシミ

冷蔵庫や洗濯機・電子レンジ・炊飯器などの家電を長期間同じ場所に置いていると、その裏側の壁紙が黒く汚れてしまうことがあります。家電の裏についた黒いシミは、貸し主が負担することになる部分です。家電の使用は日常生活でごく当たり前のことなので、それらで汚れた部分は通常使用の範囲内となります。黒いシミがついた壁紙の張り替えやクリーニング費用は、貸し主の負担になることを覚えておいてください。

4.契約内容で注意したい点は?

ここでは、契約内容で注意しておきたいポイントについて解説します。

4-1.原状回復特約を確認する

契約内容で注意したいポイントは、原状回復特約です。原状回復特約は、賃貸借契約書と一緒に結ぶことになる特約で、ある程度の原状回復費用を入居者に負担させるという内容が記されています。退去時に、どこからどこまでを借り主が負担することになるのか・貸し主が負担する部分など、具体的な原状回復の内容が記載されているので必ずチェックしておかなければなりません。特約を結ぶときは、これらの内容を具体的に明示する必要があります。大家さんによって特約の内容や基準は異なりますが、クリーニング費用として部屋の広さに応じて費用を定めるのが一般的です。

4-2.敷引き特約も要チェック!

新居の契約時は、敷引き特約もチェックしておきたいポイントです。敷引きとは、敷金の中から原状回復費用を一定金額差し引くことを表しています。つまり、敷金1か月分と記載されている場合、退去時には敷金から約1か月分の金額が退去費用から差し引かれるというわけです。できるだけ、初期費用を抑えるために敷金・礼金なしの住居を選んでしまう人が多いでしょう。けれども、原状回復特約や敷引き特約の内容によっては敷金を支払ったほうが退去時にお金がかからないというメリットがあります。そのときの財布事情を踏まえた上で、敷引き特約もチェックしておきましょう。

4-3.退去時は負担するべき金額を確認する

敷金なし物件の退去時は、借り主が負担すべき金額をきちんと確認することも大切です。中には、契約時に、原状回復特約の内容についてきちんと確認していなかったという人もいるでしょう。もし、手元に契約書があれば、引っ越しする旨を大家さんに伝える前に確認しておいたほうがいいかもしれません。そして、契約内容を踏まえながら、退去時に部屋の状態をチェックしてください。どこを原状回復するのか・どの部分を借り主が負担することになるのか・金額はいくらになるのか確認することが大切です。

5.敷金なし物件の退去時に関してよくある質問

敷金なし物件の退去時に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.敷金がゼロになることが多いケースは?
A.多くの物件は、約1~3か月分の家賃分が敷金として設定されています。けれども、中には敷金なしの物件もたくさん存在しているのが事実です。主に、以下のようなケースが敷金なしになっているでしょう。

  • 退去時のクリーニング代や修繕費用が全額自己負担の場合
  • 駅から遠く、交通アクセスが悪い物件
  • 長期間空室になっている物件
  • 家賃が相場よりも高いケース
  • 住環境が悪いケース
  • 築年数が古い物件

借り主側にとっては、敷金がないと初期費用を抑えることができるため、部屋が借りやすくなるメリットがあります。けれども、退去時に修繕費がかかる可能性があるので、その点を踏まえておかなければなりません。

Q.修繕箇所ごとの費用の目安は?
A.修繕箇所ごとの費用の目安を下記にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

  • 壁紙の張り替え:1㎡あたり約750~900円
  • ふすまの張り替え:1枚あたり約3,000~4,500円
  • トイレの水垢・カビの清掃:約5,000~8,000円
  • 床材についた汚れ:1か所あたり約10,000円
  • サッシのカビ清掃:1か所あたり約10,000~20,000円
  • 浴室の水垢・カビの清掃:約10,000~20,000円
  • キッチンの油汚れ清掃:約15,000~25,000円
  • 床材の張り替え:1枚あたり約8,000~10,000円
  • 壁紙の張り替え:6畳全面で約30,000~40,000円

Q.退去時によくあるトラブルは?
A.よくあるのは金銭トラブルです。「入居時からあった傷や汚れに対して修繕費を要求された」「ハウスクリーニング費用として法外な請求をされた」などのトラブルが起きています。原状回復等でトラブルになったときは、できるだけ早めに国民生活センターへ相談してください。

Q.退去費用のトラブルを避けるコツは?
A.入居時の写真を残しておくことです。入居時からあった汚れや傷は、借り主が負担すべき部分ではありません。写真に残しておくと、自分がつけた傷や汚れではないという証拠になります。また、契約書を細かくチェックしたり、退去費用の相場を把握したりすることも大切なコツです。

Q.タバコのヤニや汚れは借り主の負担になるのか?
A.タバコは経年劣化には含まれないため、借り主が修繕費を負担することになります。タバコによってクロスににおいがついたり、焦げ跡が残ったりする場合は、クロスの張り替えが必要です。また、タバコの火の不始末によってフローリングが汚れてしまった場合も、フローリングの補修や交換費用を負担しなければなりません。

まとめ

敷金は退却時に戻ってくるお金ですが、修繕費がかかる場合は戻ってこないこともあります。そのため、敷金なし物件の場合、修繕費やクリーニング代を退去時に支払わなければなりません。ただし、契約内容や管理会社・大家さんによって退去時の条件が異なります。また、基本的に、修繕費は経年劣化以外の修理に充てられるものです。どこからどこまで借り主が負担することになるのか、きちんと定められていないところもあるため、管理会社や大家さんとの話し合いが必要になるでしょう。