畳の処分にもう困らない! タイミング・方法・注意点を知れば解決

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畳の処分にお困りではありませんか? 不用品となった畳を捨てるにしても、簡単ではないでしょう。一枚が大きく重いからです。そのままでは、ゴミステーションに燃えるゴミとしても捨てられません。では、どうすればよいのでしょうか?

  1. 畳の種類で処分方法も変わる
  2. 畳の寿命で処分のタイミングを考える
  3. 畳を処分する6つの方法
  4. 畳を処分する場合の費用相場
  5. 畳の処分時に注意したい6つのこと
  6. 畳の処分でよくある5つの質問

この記事では、畳の処分方法について解説します。畳の種類・寿命・処分するときの注意点も含めて解説しますので、参考にしてください。

1.畳の種類で処分方法も変わる

畳の種類をまずは知っておきましょう。素材しだいでは、処分方法や費用が変わるからです。

1-1.本畳と樹脂加工畳は品質が違う

本畳とは天然素材が使われている昔ながらの畳です。一方の樹脂加工畳は、プラスチックなどを使用した現代的な畳となります。樹脂加工畳は、耐久性・ダニ・カビ対策としても優れた畳です。本畳と見た目が変わらないのも魅力でしょう。

1-2.龍鱗表(りゅうびんおもて)は良質のい草が使われている

乾燥した良質のい草が使われた畳です。一般的には、茶室の床畳・床の間に使われています。花やツボなどを置くことによる日焼けを想定し、天日にさらして焼いたい草が使われているのも特徴です。

1-3.琉球表・目積表はい草の形が違う

琉球表の特徴は、断面が三角の特殊な七島い草を使っていることでしょう。耐久力があり、縁なし畳で用いられることが多い高級畳表です。感触・香りも他の畳と異なります。使うことで、味わい深くなるのも特徴でしょう。同様に、高級畳表で知られているのが目積表です。一般的な丸い草が使われていますが、目の幅が細かく、織り方は琉球表に似ています。琉球表と同じく、縁なし畳で使用されることが多い畳表です。

1-4.和紙表は和紙を使った現代的な畳

和紙表は、い草ではなく樹脂でコーティング加工した和紙で織り上げています。い草などに変わって普及している畳表で、複数色あるのが魅力です。縁の有無に関係なく対応できます。単色に限らず、2色も可能なのでデザインの面で柔軟性がある畳表と言えるでしょう。また、色あせやダニ・カビにも強く、摩耗にも強いなど多くのメリットがあります。

1-5.樹脂コーティングなどを使用した畳

ポリプロピレンや樹脂コーティングなどが使用された畳です。和紙表も化学表に含まれます。汚れ・カビ・変色に強いのが特徴です。ただ、天然のい草が使われた畳と香り・質感・色が異なります。

1-6.畳には国産以外に外国産もある

畳は国産だけではなく、外国産もあり、耐久性も異なります。国産では、い草の品質もよいため、弾力性・耐久性に優れた畳が少なくありません。国産以外には、中国産もあるのですが、実は、日本で一番普及している畳は中国産です。耐久性は国産よりも低めとなっています。ただし、リーズナブルな価格ですから購入しやすいのが魅力でしょう。処分のタイミングや判断する要素のひとつとして、何産なのかもチェックしてください。

2.畳の寿命で処分のタイミングを考える

畳の処分をする前に、一般的な寿命を知っておきましょう。取り替え時期まで余裕があるのに、買ったときよりも色や形が少し変わった気がするという曖昧な基準で処分すると、失敗する可能性があるからです。

2-1.畳の寿命は10~15年程

メンテナンスをきちんと行えば、一般的に畳は10~15年は保ちます。ただし、使用環境の影響も受けるので注意してください。メンテナンス方法として、裏返しや表替えがあります。ただ、15年以上経過したら、新畳への交換時期と考えてもよいかもしれません。

2-2.裏返しは畳をひっくり返すこと

前述したように、畳のメンテナンスには、裏返しや表替えがあります。裏返しとは、畳を裏返しにして張り直す方法です。畳も3~5年も経過すれば、日焼けや擦り傷で傷みが出てきます。ひっくり返すだけのなので、手軽なメンテナンスと言えるでしょう。

2-3.表替えは畳表を新しくする方法

表替えは、畳床を変えず畳表と畳縁を新品にするメンテナンス方法です。新品から6~7年程経過したときが目安でしょう。い草なども新品になるのが大きなメリットです。ただ、畳床の交換はないために踏み心地は変わりません。たとえば、踏むと表面がへこむといった問題は、表替えでは解決はむずかしいでしょう。

2-4.新畳はすべて新しい畳にすること

新畳は新しい畳に替えることです。日焼け・変色・傷みが激しいなら新しい畳に交換するしかありません。目安としては、畳を踏むとふわふわして安定しないことが挙げられます。また、畳と畳の隙間にも注意してください。隙間がある場合、畳床の傷みが激しい場合が多いからです。

2-5.環境によっても畳の交換時期は異なる

上記の年数は、あくまで目安でしかありません。家を取り巻く環境によっては、交換の目安より早く畳が劣化する場合もあるからです。自分の目や感触などで日常的に確かめるようにしましょう。たとえば、畳は色あせれば緑色から黄色に変わります。また、たくさん擦れているなら、交換時期を早めてもよいでしょう。逆に、15年以上経過しても状態がよければ、交換するかどうかすぐに決めるのではなく様子を見てもよいかもしれません。

3.畳を処分する6つの方法

畳を処分する場合には、その方法を理解しておきましょう。各家庭それぞれの事情に合わせた処分を選ぶのがポイントです。特徴や費用相場などを理解していれば、慌てることなく畳の処分ができるでしょう。

3-1.畳屋に処分を依頼

新しく畳を張り替える場合、畳屋が引き取ってくれます。ただし、無料ではなく、有料で回収する業者も多くなりました。また、張り替えではなく古畳だけの回収には応じてくれない業者もあります。中には、複数の畳でも安く回収してくれる業者も存在しますがあまり期待できません。畳を張り替えるときに古い畳は引き取ってくれるのか・回収費用は何円ぐらいかなど確認しておいたほうがトラブルを回避できるでしょう。

3-2.自治体の可燃ゴミで処分

自治体の可燃ゴミに出して、畳を処分する方法があります。ただし、そのままの大きさで可燃ゴミとして出しても引き取ってはもらえません。自治体のルールに従い、畳を小さくバラバラにする必要があります。ノコギリでも切れますが、畳は大きく厚みがあるため、かなり手間がかかるでしょう。電動ノコギリやチェーンソーなどの使用をおすすめします。また、一枚ではなく、複数あって量が多いと自治体に断られる場合もあるため注意してください。

3-3.粗大ゴミとして処分

畳を粗大ゴミとして処分するのは一般的な方法です。自治体のルールに従って処分しましょう。多くの自治体で、30cm角を超えたものが粗大ゴミに分類されることが一般的です。また、粗大ゴミとして処分する場合は、各自治体のルールに従いましょう。一般的な方法として多いのは、まず、粗大ゴミ受付センターへ申し込みを行い、手数料納付券を購入します。手数料納付件はスーパー・コンビニなどの指定販売店や環境事業所で購入可能です。氏名と受付番号を記入し、畳の見やすい部分に貼ってください。その後、指定場所へ運ぶと担当者が回収してくれます。

3-4.クリーンセンターへ自己搬入

自治体のクリーンセンターに直接持っていく方法もあります。一般的には、粗大ゴミなどをゴミの発生する区の環境事務所で手続きを行い、処理施設へ自分で搬入するという手順です。自動車などで畳を運び、職員に確認をしてもらい処分します。ただし、自己搬入の受付時間は区の環境事業所で異なりますから事前に確認してください。ただ、自治体の中には畳を受け付けてくれないところもあるので、その点も確認しましょう。

3-5.新品に近いならリサイクルショップ

リサイクルショップの中には、畳にも買取対応しているお店も存在しますが多くはありません。また、取り扱っていても、新品に近い物でなければ、買取困難で査定額が出ないことも珍しくないのです。メンテナンスをするのも専門技術が必要となります。古い畳は劣化していることが多く、需要がありません。そもそも、家に和室がない家庭も増えています。そのため新品に近い畳でなければ買取がむずかしいのです。ただ、買取をしてくれる店もありますから、見つけたら相談してもよいでしょう。

3-6.不用品回収業者に依頼

不用品回収業者などに依頼するのも手軽な処分方法です。電話やメールなどで依頼するだけで、畳の処分ができます。依頼費用はかかりますが、畳を細かく切断する・運ぶなどの、時間や手間がかからないのは大きなメリットです。また、畳以外に不用品があるなら一度に処分できます。引っ越し・大掃除などでは非常に助かるでしょう。

4.畳を処分する場合の費用相場

上記のように、畳の処分方法は複数あります。ただ、粗大ゴミ・回収業者などでは費用がかかることは無視できません。どれぐらいの費用がかかるか気になる人も多いでしょう。畳の処分方法で気になる費用について解説します。

4-1.可燃ゴミとして捨てるときの費用相場

畳を処分する費用で一番負担が少ないのは可燃ゴミとして捨てる方法です。自治体のルールに従い粗大ゴミ処理券を購入しなければなりません。ただ、畳を粗大ゴミとして処分する場合の費用は自治体によって異なります。東海地方では800~1,000円が相場です。関東でも、東京都では800~1,000円、東京都以外は1,000円~1,150円と異なります。愛知県名古屋市だと畳は1,000円です。運ぶなどの手間を考えた場合も含め、費用が高いかどうかの判断材料にしてください。

4-2.回収業者は手軽で畳以外も処分可能

回収業者に畳の回収を依頼した場合の相場は業者で異なります。また、店舗を持った業者だと持ち込みで割引をしてくれるところもあるので、ホームページや電話での問い合わせでチェックしてください。大体の目安ですが、畳一枚2,000円~程度と考えてよいでしょう。中には、お得なサービスパックを実施している業者もあります。代表的なのが、軽トラ~4tトラックなどに不用品を詰め放題で一律の価格という形態です。例えば、愛知県の不用品回収・遺品整理業者のZEROPLUS株式会社では、お得な詰め放題パックサービスを提供しています。畳が何十枚もあり、ほかにも不用品がたくさんあるなら、回収業者に依頼したほうが結果的に安くなる場合も少なくありません。回収業者によりサービス費用は変わりますので、依頼する前に問い合わせをしましょう。

5.畳の処分時に注意したい6つのこと

畳の処分では、注意点も複数あります。知らないと、損をするだけではなく法律に関することもあるため注意しましょう。

5-1.素材で処分費用が異なる

自治体の粗大ゴミに出す場合、本畳より樹脂加工による畳のほうが処分費用は安い場合が多いのです。処分費用の差で見ると、半分程度になることもあります。そのため、自治体で処理をする場合は、担当課に問い合わせをしてください。ただし、事業所などから出た畳は事業ゴミになるため注意が必要です。自治体で処分する場合は、事前に確認しましょう。

5-2.産業廃棄物扱いになる場合もある

家の新築やリフォームなどで発生する畳は産業廃棄物の繊維くずとなるため注意してください。産業廃棄物の扱いになると、地域のゴミ処理場へ持ち込んでも引き取ってもらえないからです。処分するには産業廃棄物処理業者に回収してもらわなければなりません。その場合、廃棄物処分委託契約書も必要です。また、処理業者が「産業廃棄物収集運搬」の許可を持っているかどうか確認しましょう。許可を持っていない業者に畳の回収を依頼した場合、間接的に責任を問われる可能性があります。

5-3.基本料金以外に出張費・追加料金をチェック

不用品回収業者に依頼をするときは悪徳業者にくれぐれも気をつけましょう。よくあるトラブルとして、最初はどこでも出張費は無料と言っていたのに、作業後、対応エリアではないという理由で追加料金を請求してくるケースです。また、作業後に追加料金を主張して見積料金よりはるかに高い金額を請求してくる業者もあります。このようなトラブルを防ぐには、見積時「出張費」「追加料金」「条件による金額の変化」などがあるか確認してください。それでも、作業後に理不尽な請求をされたとしたら消費者センターに相談しましょう。

5-4.複数業者から相見積もりを取る

回収業者に依頼をするときは複数の業者から見積もりを取りましょう。特に初めて回収業者に依頼するときは大切です。一社だけだと、回収費用が適切かどうか判断できません。複数社から見積もりを取ることで、金額だけでなく、サービスの違いも分かるでしょう。良心的な業者の場合、他業者の見積もりを踏まえ、改めて見積もりを出してくれるところもあります。結果的に、安く畳の回収ができる場合もあるので実践しましょう。

5-5.畳のサイズには地域性がある

引っ越し時、まだ新しい畳なので使いたいと考える人もいるでしょう。ただ、同エリアでない場合、部屋と畳のバランスが違うことが多いので注意してください。引っ越し先に運ぶのが無駄になるからです。一番大きいのは西日本エリアの京間・次が東海エリアの中京間・北海道~関東エリアが江戸間となります。京間は約1.82平米ですが、江戸間だと約1.55平米です。ただ、近年、賃貸物件などで畳数を表す場合、中京間の1.62平米で統一されています。また、エリアではなく古い団地やアパートの場合は団地間という分類もあるため、不動産屋にチェックしましょう。

6.畳の処分でよくある5つの質問

畳の処分でよくある質問をご紹介します。悩んでいる人はチェックしてください。

Q.畳の処分費用が高いという理由で不法投棄したらどうなる?
A.不法投棄は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金または併科という厳しい罰則が待っています。また、法人の場合だと、3億円以下の罰金です。捨ててもバレないと考えてはいけません。実際に畳を不法投棄して逮捕されたケースもあります。

Q.新しい畳の張り替えは誰でも簡単にできる?
A.畳の張り替え自体は誰でもできますが、満足できる状態になるかどうかは別問題です。施工業者の中でも、腕のいい職人と悪い職人が存在します。駆け出しの職人だと、張り替えても早く劣化する可能性もあるので注意してください。畳制作・畳交換では畳製作技能士という国家資格もあるぐらいです。畳の張り替えを依頼するなら、その点にも注意してよい業者を選びましょう。

Q.傷んだ畳を修復する方法はある?
A.ちょっとしたささくれ程度なら、水に10倍ほど薄めた木工用ボンドと筆を使って塗ると修復できます。カビが発生したら、アルコール消毒液を含めた雑巾で、目に沿って優しく拭き、ドライヤーで乾かしましょう。ただ、誤った修復方法だと、余計に畳が傷んでしまうことも否定できません。あまりに傷んでいるならプロに相談しましょう。

Q.表替えは1回かぎりで後は処分するしかないの?
A.畳床部分が劣化していなければ、表替え自体は何回も行えます。ただし、裏返しは一枚の畳表で1回しかできません。畳床自体の耐久性は材質で異なります。ワラを主原料にしている場合だと、30年以上保つこともあるぐらいです。ただし、木の繊維から製造した建材インシュレーションボードの畳床だと、20年程度でへたることもあります。

Q.傷みがあっても十分使える気がするけれどダメ?
A.畳表面の凹凸・変色・汚れ・裂けなどの傷みがひどければ、交換を検討してもよいでしょう。裂けている場合、湿気が入り乾燥しやすくなり、結果、傷みの進行が激しくなるので注意してください。ささくれが足に刺さるなどの事故にもつながります。天然のい草を使った畳だとカビが発生すれば下地の修復が必要です。ダニが発生すればハウスダストなどにもつながりますので、このような状態になれば処分しかないでしょう。

まとめ

畳の処分は可燃ゴミとして捨てることもできますが大変です。年配の方や女性だと、大きな畳を細かく切るのはむずかしいでしょう。畳の処分を楽にするなら、回収業者に依頼、新しく張り替えるとき畳業者に引き取ってもらうことが挙げられます。それでも費用はかかりますので、見積時にきちんと確認しましょう。