小型家電はどう捨てるのが理想?回収やリサイクルの知識を深めよう
我々の身近には、たくさんの小型家電製品があります。使っていない小型家電製品は、どう処分すべきでしょうか?ごみと勘違いする方が意外と多いのです。「再利用することはできる?」「小型家電の処分や回収が知りたい」このように思っている方もいるでしょう。
小型家電は、リサイクルをすることが理想です。安易に捨ててはいけません。素材には貴重金属があり、リサイクルして再製品化できるのです。今までご存じではなかった方も、小型家電のリサイクルについて覚えておいてください。
この記事を読むことで、小型家電をリサイクルする必要性や正しい回収方法を身につけることができるでしょう。処分方法に戸惑っていた方も、リサイクルの仕方を学べます。
1.小型家電の回収にかんする基礎知識
小型家電の廃棄に困っていませんか?回収にまつわる基礎知識から覚えていきましょう。
1-1.小型家電リサイクル法を理解しよう
小型家電リサイクル法は、環境省によって2015年4月1日からはじまりました。施行以前から行っている自治体もあります。東京都江東区は、2009年から小型家電の回収を実施していました。自治体は、公共施設や家電量販店などに回収ボックスを設置しています。ごみ集積所にも回収用箱を設けており、積極的に回収してリサイクルしているのです。個人情報漏洩(ろうえい)が心配な携帯電話やスマホなどを保護するため、ボックスには施錠してある場合もあります。
1-2.小型家電を回収する目的とは?
小型家電には、2種類の金属が埋もれています。ベースメタルとレアメタルです。鉄・金・銅などがベースメタルと呼ばれる一般的な金属で、レアメタルは特殊で貴重な金属に分類されます。金属資源は自然界から掘り出すのが難しく、手間と多額の費用がかかり、回収してリサイクルする方が好ましいとされているのです。
小型家電リサイクル法は、資源の有効活用と自然破壊防止の観点から定められた法律になっています。1人1人がリサイクル意識を持つことで、地球は守られるのです。
1-3.小型家電リサイクル法に基づいて回収される品目について
小型家電リサイクル法が定める対象品目は、携帯電話・タブレット・ゲーム・音楽プレーヤー・ハードディスクなどの記録機器・美容機器・時計などです。対象品目の詳細は、自治体ごとに設定しています。電子端末のほとんどは、小型家電リサイクル法の対象品目になる可能性があると覚えておきましょう。
1-4.小型家電リサイクル法の特定対象品目とは?
環境省は、小型家電リサイクル法の特定対象品目を指定しています。処分費用を負担することなく、回収可能である品目です。特定対象品目は下記を参考にしてください。
- 携帯電話・PHS・パソコン
- ラジオ
- カメラ(デジタル・ビデオ・フィルム)
- 映像関連(DVD・ハードディスク・ビデオなどのプレーヤーやレコーダー)
- 音楽機器(プレーヤー・レコーダー・ヘッドフォン・イヤホンを含む)
- 記録装置(ハードディスク・メモリーなど)
- 電子書籍用端末
- 電子辞書
- 電卓
- 健康機器(血圧計・体温計)
- 美容関連(ドライヤー・電動カミソリ・電動歯ブラシ)
- 懐中電灯
- 時計
特定対象品目は、環境省の小型家電回収にかんするガイドラインに掲載されています。処分前にご一読ください。
- 環境省ガイドライン http://www.env.go.jp/recycle/recycling/raremetals/attach/gl_collect130306.pdf#search='小型家電+特定対象品目'
1-5.家電リサイクル法とはどう違う?
家電リサイクル法は先に施行されていた法律で、今では馴染(なじ)みがある言葉になりました。小型家電リサイクル法と違うのは、対象品目です。家電リサイクル法は、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4品目に絞って、回収してリサイクルしています。
小型家電リサイクル法はまだはじまって浅いため、捨て方に迷うケースが多いのです。意外と身近な製品が対象になっており、お使いの小型家電製品は、だいたい対象品目と考えていいでしょう。ただし、自治体ごとに小型家電の取り扱いは異なります。
2.小型家電の回収について
回収ボックスの設置が行われているとご説明しました。具体的な例をご紹介します。
2-1.小型家電はどうやって回収しているのか?
回収方法はいくつかあります。それぞれの方式などを理解しておきましょう。
2-1-1.自治体による小型家電の回収
各自治体が、小型家電の回収を呼びかけているのをご存じでしたか?公共施設・学校・ごみ集積所など、身近な場所に回収ボックスを設置し、投入口から入れられるようになっています。回収ボックスを利用する場合、特別な費用負担はありません。清掃工場へ直接持ち込みをすることもできます。
2-1-2.メーカーによる小型家電の回収
ディスプレイを含むパソコンの回収は、メーカーへ直接申し込み可能です。PCリサイクルマークの表示はありますか?あるものは無償で回収されますし、ない場合でもメーカー規定の回収費用を支払えば問題ありません。確実にリサイクルしてもらえるメリットはあります。しかし、メーカーへ発送の手間を考えると面倒という方もいるでしょう。
2-1-3.家電ショップによる小型家電の回収
家電ショップにも回収ボックスが設置してあります。使用済み小型家電回収ボックスと表示に従って投入するだけです。買い替え時に、その場で処分できるのはメリットでしょう。家電ショップは責任を持って、リサイクルする業者への引き渡しを行います。家電ショップによっては、有料回収となる品目もあるので注意してください。家電ショップの回収情報は、事前に確認しておきましょう。
2-1-4.回収業者による小型家電の回収
回収業者は小型家電の回収を得意としています。自社でリサイクルできるルートを確保しているため、年式が新しいものや人気製品は買い取りに対応している場合もあるでしょう。回収業者ならではのメリットは、小型家電以外のものも同時に捨てられるということです。
2-2.小型家電回収時の注意点
携帯電話・スマホ・ハードディスクなども、回収ボックスを利用して廃棄することができます。しかし、回収してもらう前にはしっかりデータ消去を行うことが重要です。個人情報が漏(も)れないよう、回収ボックスには工夫がなされています。悪用する人は後を絶たないため、個人情報保護への意識は高く持ちましょう。小型家電とはいえ、回収ボックスに入らないものは対象となりません。だいたい1辺が30cmよりサイズが大きなものです。
3.家電回収業者に頼む場合
小型家電をはじめ、さまざまなものの回収を取り扱う業者の利用は、年々増えています。一気に家の中をすっきりしたいという方にとって、大変便利でスマートなサービスとなっているのです。
3-1.家電回収業者選びはどうすべきか?
家電回収を名乗る業者は、街中でも見かけますよね。頻繁に目にするようになった反面、どういう業者かわからないというのが現状でしょう。家電回収業者は正しく選ばなければ、適切にリサイクルされないという危険性もあるのです。
ごみを廃棄する一般廃棄物処理業やリサイクルに必要な古物商の許可を得ているかが、家電回収業者選びのポイントになります。国が認定している認定事業者であるなら、小型家電リサイクル法にのっとってリサイクルできる業者です。ホームページを開設しており、数多くの家電回収を請け負っていることも大切でしょう。
3-2.小型家電は回収後にどうなる?
回収後の小型家電は分解や粉砕し、その中から金属資源を取り出し、プラスチックなどと分別していきます。リサイクルは国の認定事業者が手がけ、金属資源は専門の取り扱い事業者によって再生されるのです。
金属は再商品化される貴重なもので、リサイクルの重要性を知っている業者に頼むことで、きちんと再利用されることを覚えておきましょう。
3-3.回収できないものはある?
電球・電池は取り外してください。業務系ごみも該当しません。家電リサイクル法対象4品目(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は、小型家電リサイクル法とは区別されます。リサイクル料金と収集運搬費用が発生し、注意が必要です。
3-4.回収業者に小型家電を回収してもらうときの注意点
許可を受けずに営業を続けている業者は多く、中には法律に触れる行為をしている場合があります。空(あ)き地で回収している・無料をアナウンスしているなど、いかにも怪しい業者は避けましょう。小型家電は、家庭に眠る大切な資源で、都市鉱山と名づけられるものです。再び有効活用されるよう、小型家電は認定事業者に委ねてくれる回収業者に渡してください。
4.小型家電のリサイクルについてよくある質問
小型家電リサイクル法が施行され、捨て方で困るケースが増えてます。いつまでも手元に残っているという事例もあるほどです。リサイクルについての疑問は、よくある質問を見て解決していきましょう。
4-1.小型家電をリサイクルするのは資源活用が目的?
小型家電にはたくさんの金属資源が詰まっていることをご説明しました。金属資源を新たに採取するのは、多額の費用を捻出し、地球を破壊する行為でもあります。ゆえに、環境保全を目的として行うものです。加えて、リサイクルすることはごみの削減につながり、ごみを焼却する二酸化炭素排出量を抑えることができます。
4-2.小型家電のリサイクルをする認定事業者とは?
認定事業者とは、環境省と経済産業省の認定を受けている業者です。小型家電をリサイクルできるのは、小型家電大臣認定の番号表示を掲げている業者ですから、リサイクルを依頼するときのポイントにしましょう。
4-3.小型家電の処分にはリサイクル券は必要?
家電リサイクル法対象の4品目を捨てる場合、家電リサイクルセンターへ規定料金と収集運搬費用を支払い、処理券を発行してもらいます。しかし、小型家電のリサイクルを目的に回収している自治体では、リサイクル券の発行は必要ありません。
4-4.電子レンジの廃棄は小型家電に該当する?
電子レンジも小型家電に分類されることがあります。家電ショップや自治体に設置している回収ボックスには入りません。しかし、ごみ集積所にある回収コンテナを利用して捨てる方法もいいでしょう。回収業者なら電子レンジも小型家電として回収してくれます。
4-5.まだ使える小型家電は買い取り対象?
回収業者では買い取りシステムを導入しているところもあります。動作不良がなく、製造から5年と新しいものは、買い取りしてもらえる場合もあるでしょう。回収業者に買い取りを希望している旨を伝え、査定をしてもらうようにしてください。
5.まとめ
いかがでしたか?小型家電には、有益な資源が凝縮されていることをご理解いただけたかと思います。家庭にある都市鉱山ですから、ごみ扱いせずにリサイクルすることが望ましいのです。自治体の回収ボックスや回収業者を利用し、正しくリサイクルされることで再資源化します。処分を希望する人がみんなでリサイクル意識を持ち、地球環境保護につなげていきましょう。