業務用エアコンを廃棄する際の注意点〜処分の流れや費用などを解説〜

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業務用エアコンは自治体回収で捨てることができるのか……廃棄方法で悩んでいる方は多いでしょう。家庭用エアコンでも処分方法に悩みがちですが、業務用となると重量があるので運搬や搬出が困難となります。また、まだ正常に使えるのに廃棄するのも、もったいないように感じるでしょう。

そこで、本記事では、業務用エアコンをお得に廃棄するコツなどを解説します。

  1. 業務用エアコンを廃棄する際の注意点
  2. 業務用エアコンの撤去と処分の流れ
  3. 業務用エアコンの処分にかかる費用は?
  4. 業務用エアコンの処分を依頼する方法
  5. 業務用エアコンの廃棄に関してよくある質問

この記事を読むことで、業務用エアコンを廃棄する方法と注意点などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.業務用エアコンを廃棄する際の注意点

まずは、業務用エアコンを廃棄する際の注意点をいくつか解説します。

1-1.業務用エアコンは産業廃棄物扱い

最初にチェックしてほしいことは、業務用エアコンは産業廃棄物扱いになる点です。基本的に、会社や工場など事業目的で使ったものは産業廃棄物扱いとなります。産業廃棄物は家庭用ゴミと一緒に自治体回収での処分ができません。そのことを知らずにゴミ捨て場に持って行ってしまうと、不法投棄とみなされ罰金が科せられることになってしまいます。一般的に、産業廃棄物は自治体から許可を取得した業者に依頼することになるでしょう。

1-2.エアコンは家電リサイクル法の対象品目

エアコンは家電リサイクル法の対象品目になっています。家電リサイクル法とは、対象の家電に含まれている有用資源の再利用と廃棄量減少を目的とした法律です。そのため、対象品目になっているエアコン・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)・テレビの4品目は、メーカーによる回収とリサイクルが義務づけられています。基本的に、家電リサイクル法の対象品目は自治体回収での処分ができません。けれども、業務用エアコンは家電リサイクル法の対象品目外となっているため、ほかの法律に従って廃棄するように義務づけられています。それが、フロン回収・破壊法と呼ばれている法律です。

1-3.フロン回収・破壊法

業務用エアコンに使用されているフロンガスは、放出されると地球環境にかなりの悪影響を与えてしまうものです。そのため、フロンガスは確実に回収され、破壊されるように定めているのが、フロン回収・破壊法となります。業務用エアコンの処分を検討する際は、「適用される法律が何か」ということをまず考えていかなければなりません。 自分で見極めが難しい場合には、信頼のおける業者に相談してみるといいでしょう。

2.業務用エアコンの撤去と処分の流れ

それでは、どのようなやり方で業務用エアコンを処分すればいいのでしょうか。大まかな処分の流れを解説します。

2-1.自治体の認可を受けた業者に回収を依頼する

まずは、自治体の認可を受けた業者に、業務用エアコンの回収を依頼するところから始まります。認可を受けた業者または、産業廃棄物取扱業者に依頼することになるでしょう。ホームページまたは電話で回収の依頼を申し込んだ後、作業日を決めます。作業日当日にスタッフがやってきて、業務用エアコンの取り外しに入ることになるでしょう。費用削減のために自分で取り外す方がいますが、エアコンの取り外しは素人では困難な作業です。特に、業務用エアコンは配管が複雑になっていることが多いため、無理をせずに業者へ依頼してください。

2-2.回収・運搬・破壊費用を支払う

業務用エアコンを回収してもらうと同時に、廃棄者は回収・運搬・破壊費用を支払うことになります。具体的な費用はエアコンの設置状況や種類によって異なるので、事前の確認が必要です。なお、主な内訳は以下のようになります。

  • フロンガス回収・撤去費
  • フロンガス運搬費用
  • 業務用エアコン運搬費用
  • 破壊証明など

だいたいの費用は約4万~20万円でしょう。業務用エアコンの容量が大きくなればなるほど処分費用が割高になります。壁掛け型・床置き型・天井吊(づ)り型・天井埋め込み型によっても処分費用が異なり、天井埋め込み型は費用が高くなりがちです。

2-3.処分の流れは大きく分けて2つ

業務用エアコンを処分する流れは、大きく分けて産業廃棄物取扱者がフロン回収と機器廃棄をまとめて行うパターンと、フロン回収業者と機器廃棄業者それぞれ作業を分担するパターンの2つがあります。フロン回収・破壊法と廃棄物処理法の2つの法律に従って処分しなければならないからです。いずれの2つも機器からフロンを回収し、その後にエアコン本体を廃棄する流れとなるでしょう。その際、フロン回収に関してはフロン回収行程管理票、フロンを抜いた機器本体は産業廃棄物管理票(マニフェスト)に従った処理を行う必要があります。

3.業務用エアコンの処分にかかる費用は?

それでは、具体的に業務用エアコンの処分にかかる費用をチェックしておきましょう。

3-1.フロンガス回収費用は約2万~3万円

業務用エアコンは家庭用エアコンとは違って、フロンガス回収に費用がかかります。フロンガス回収費用は業者によって異なりますが、約2万~3万円が目安になるでしょう。主な内訳は、回収基本料が約1万円、回収料が約3,000円、機器設置料が約4,000円、破壊証明費用が約6,000円です。あくまで目安となるため、具体的な費用に関しては業者に無料見積もりを依頼してください。また、破壊証明費用は希望者だけの対応となるケースがほとんどです。

3-2.機器本体の撤去および処分費用は約2万円

フロンガスを回収した後は、機器本体の撤去および処分を行うことになります。業務用エアコンの撤去と処分にかかる費用は、約2万円~が目安です。家庭用エアコンと同じ壁掛け型や床起き型よりも取り外しが困難な天井吊り型や天井埋め込み型に費用がかかるでしょう。たとえば、40~50型の業務用エアコンを撤去する場合、壁掛け型は約4万円ですが、天井埋め込み型は約9万円になるなどです。

3-3.収集・運搬費用も要チェック!

業者に業務用エアコンの処分を依頼する場合、収集・運搬費用もチェックすることが大切です。業務用エアコンは家庭用エアコンよりも重いものがほとんどなので、運搬が難しくなります。作業員の人数が多くなるほど、収集・運搬費用が加算されることになるでしょう。回収業者の中には、わざと高額な費用を請求するなど悪質な業者が存在しています。追加費用として請求するケースもあるため、事前の確認が必要です。念のため、追加費用が発生するケースもきちんと確認しておきましょう。

4.業務用エアコンの処分を依頼する方法

ここでは、業務用エアコンの処分を依頼する方法について解説します。

4-1.産業廃棄物を取り扱っている業者かどうか

業務用エアコンの回収を依頼する業者は、産業廃棄物を取り扱っているところでなければなりません。自治体から認可を受けているか・産業廃棄物収集運搬許可を取得しているかなど、事前に確認することをおすすめします。産業廃棄物を取り扱っている業者であれば、安心して業務用エアコンの回収が依頼できるでしょう。ホームページまたは電話から申し込みが可能なので、まずは問い合わせてみてください。

4-2.不用品回収・買取業者に依頼する

産業廃棄物を扱っている業者の中には、不用品の買取サービスを行っているところがあります。不用品回収業者は不要日の回収だけと思いがちですが、買取も行ってもらうことができれば処分費用の節約につながるでしょう。たとえ、買取不可になったとしてもそのまま処分してもらえるため、時間と手間がかからない点が大きなメリットです。業務用エアコン以外にも処分してもらいたい不用品があれば、まとめて廃棄できるのもメリットの1つとなります。

4-3.リサイクルショップや買取業者に査定してもらう

まだ使える状態の業務用エアコンを、リサイクルショップや買取業者に買い取ってもらうのも選択肢の1つです。業務用エアコンは買い取ってもらえないと思われがちですが、買取対象となります。大切なのは、正常に稼働するか否かです。完全に壊れていたり不具合が起きたりしている状態なら、買取不可になるか査定額が大幅に低下するでしょう。不具合もなく正常に使うことができれば、高額で買い取ってもらえる可能性もあります。買い取ってもらうことができれば処分費用がかからないので一石二鳥です。自分で買い取ってもらえるか判断できない場合は、無料査定を依頼しましょう。

4-4.業者選びのポイントをチェック!

正しく買い取ってもらえるか・処分してもらえるか否かは、業者選びにかかっているといえるでしょう。どの業者に依頼したらいいのか分からない場合は、以下のポイントに注目してください。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
  • 産業廃棄物を取り扱っているか
  • どのような方法で回収するか説明してくれるか
  • 産業廃棄物収集運搬許可を取得しているか
  • 実際に利用した人の口コミや評判がいいか
  • 不用品の回収だけでなく買取を行っているか

不用品の回収と買取を行っているゼロプラスでは、格安回収と高価買取が可能です。産業廃棄物も取り扱っているので、悩んでいる方はぜひ1度お問い合わせください。

5.業務用エアコンの廃棄に関してよくある質問

業務用エアコンの廃棄に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.フロン回収行程管理票とは?
A.フロン類を正しく引き渡したか記載している書面のことです。フロン類の引き渡しにあたって、行程管理制度に従い書面の交付や保存を行う必要があります。基本的に、業務用エアコンを廃棄する管理者は、第1種フロン類充填回収業者にフロン類を引き渡すか、建物解体業者等に引き渡しを委託することになるでしょう。法律で定められたフロン回収行程管理票の様式はありませんが、業種団体等が販売している票を利用することをおすすめします。

Q.産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは?
A.排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、定められた事項を記載・交付しなければなりません。それが、産業廃棄物管理票です。産業廃棄物の流れを自ら把握し管理するとともに、委託契約内容に基づき、適正に処理されていることを確認するための書面でもあります。個々の産業廃棄物はきちんと正しい方法で運搬・処分しなければならないので、その過程や状態を明らかにすることが大切です。委託契約を締結せずに、産業廃棄物管理票だけ交付することはできないので注意してください。

Q.フロン回収をせずに廃棄するとどうなるのか?
A.1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。フロンを回収しないまま廃棄してしまうと、フロンを空気中に放出させてしまうことになるのです。この罰則は、機器を廃棄した人だけでなく、フロンを放出してしまった人に科せられるので注意しなければなりません。

Q.注意すべき回収業者の特徴は?
A.産業廃棄物の取り扱いを行っているか不明確な業者には、安易に依頼しないようにしましょう。特に、突然やってきては「処分したいものはありませんか?」と訪問して回収しようとする業者はNGです。また、街中をまわって不用品を回収している業者にも注意してください。実店舗を持っていないところがほとんどなので、後でトラブルになる恐れがあります。

Q.回収業者とのトラブルを防ぐコツは?
A.きちんと書面に残すことが大切です。業者が作業中に排出してしまったフロンは、業者側に罰則があります。けれども、その罪を逃れようと業者でうやむやにされる恐れがあるので注意が必要です。そのことを踏まえた上で、書面を残し、ちゃんと工事を行ったという証拠を手元に置くようにしてください。正しい手順で廃棄を行う工程管理表をもらっておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

業務用エアコンを処分する場合、自治体回収で捨てることはできません。基本的に、事業目的で使用したものは産業廃棄物扱いになります。自治体から認可を受けた業者か産業廃棄物収集運搬の許可を取得した業者に回収を依頼することになるでしょう。家庭用エアコンよりも処分費用はかかりますが、まだ使える状態のものは買い取ってもらえる可能性があります。不用品の回収だけでなく買取サービスを行っている業者に依頼すれば、スピーディーに処分できるでしょう。