認知症とゴミ屋敷の関係は? ゴミ屋敷化してしまったときの対処法

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認知症とゴミ屋敷はどのような関係なのでしょうか。ゴミ屋敷になる原因はさまざまですが、住人の多くは精神的な問題を抱えています。認知症の方がゴミ屋敷に住み続けるリスクはとても高いものです。さまざまな危険が潜んでいたり、健康被害が起きたりしがちなので、早めに対処しなければなりません。

本記事では、認知症とゴミ屋敷の関係などについて解説します。

  1. 認知症とゴミ屋敷の関係とは?
  2. 認知症の方がゴミ屋敷に住み続けるリスク
  3. ゴミ屋敷になるのを防ぐ方法
  4. ゴミ屋敷化してしまったときの対処法
  5. 認知症とゴミ屋敷に関してよくある質問

この記事を読むことで、認知症の方がゴミ屋敷に続けるリスクや対処法などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.認知症とゴミ屋敷の関係とは?

まずは、認知症とゴミ屋敷の関係についてチェックしておきましょう。

1-1.認知症の増加と共にゴミ屋敷が深刻化している

ゴミ屋敷にはさまざまな原因がありますが、その中でも深刻化になりつつあるのが認知症です。認知症の高齢者が増加傾向にあると同時に、ゴミ屋敷も増え続けています。現在、日本は少子高齢化が進んでおり、2012年では認知症の高齢者数が462万人であることが分かりました。なんと、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症という計算です。また、2025年にはおよそ5人に1人が認知症になるといわれているため、さらにゴミ屋敷も増えると考えられています。

1-2.認知症の方が住んでいる家はゴミ屋敷化しやすい

某不用品回収業者が行った「ゴミ屋敷と認知症にまつわるアンケート」の結果によると、認知症の方が住んでいる家の半数がゴミ屋敷化していることが分かりました。「どのような状態が多いか?」という質問に対しては、ものでたくさんあふれている・不用品が散乱している状態という回答がほとんどです。認知機能の低下によってゴミの分別や部屋の片付けが難しくなるため、いつの間にかゴミであふれてしまいやすいのでしょう。認知症の方が住んでいる家は、ゴミ屋敷化しやすい状態であるのは間違いありません。

2.認知症の方がゴミ屋敷に住み続けるリスク

では、認知症の方がゴミ屋敷に住み続けると、どのような悪影響を受けるのでしょうか。

2-1.住人の健康面・衛生面がどんどん悪くなる

認知症の方がゴミ屋敷に住み続ける大きなリスクは、住人の健康面・衛生面がどんどん悪くなってしまうことです。あちこちにいろいろなものが散乱しては、ホコリが蓄積されやすくなり、常にハウスダストが空気中に舞い上がっている状態となります。そこに住んでいる人は常に体に悪い空気を吸っていることになるため、咳(せき)が出たり、頭痛やくしゃみなどの健康障害が出てきたりするでしょう。放置するほどどんどん症状が悪化し、アレルギー症状や喘息(ぜんそく)などにつながる恐れがあります。

2-2.害虫や悪臭が発生する

ゴミを放置すると害虫や悪臭が発生することになるでしょう。認知症の方は、自分がどんな状態で生活しているのか理解できないため、どれがゴミでどれが自分にとって必要なものなのかも分かりません。悪臭を感じていても、どこから発生しているのか分からなくなり、そのまま放置してしまいがちです。ネズミ・ダニ・ハエ・ゴキブリといった害虫は細菌やウイルスを呼び寄せる原因となるため、住みつく前に駆除する必要があります。

2-3.ケガしやすくなる

認知症の方がゴミ屋敷で住み続けると、大ケガをするリスクが高まります。ゴミに埋もれてしまったり、大きなゴミの下敷きになったりする恐れもあるでしょう。特に、1人暮らしの高齢者はそのまま見つからずに、孤独死を迎えることもあるのです。自分で適切な判断ができない状態だからこそ、家族や親族・近隣住民が気を配ってあげることが大切でしょう。

2-4.近隣住民とのトラブルになることも

ゴミ屋敷をそのままにしていると、近隣住民とのトラブルに発展することがあります。実際に、ゴミ屋敷の住人と近隣住民とのトラブルがニュースになることもありました。ゴミ屋敷が増えている今、認知症との問題で頭を抱えている自治体も増えているのです。ゴミ屋敷トラブルの中には、山積みのゴミから煙が上がってボヤ騒ぎになったケースもあります。最悪な事態を避けるために、早めに対処しておかなければなりません。

3.ゴミ屋敷になるのを防ぐ方法

ゴミ屋敷になるのを防ぐ方法とポイントを解説します。

3-1.家族との時間やコミュニケーションを大切にする

認知症の方は自分でゴミと判別することができないため、家族の手助けが必要となります。また、収集癖がある人ほど「寂しい」という気持ちにつながっているケースが多いので、家族との時間やコミュニケーションを大切にすることが対策の1つです。家族で本人の話を聞く時間を作ったり、気分転換になるようなことに誘ったりしてみましょう。気持ちをよそに向けることができれば、収集癖も自然となくなるはずです。遠方で生活している場合は、介護サービスなどを利用する方法もあります。普段は介護サービスを利用しながら、時間があれば一緒に過ごす時間を大切にしましょう。

3-2.施設への入所を検討する

認知症の方の中には、他人のものを自分のものだと思い込んでしまい、勝手に持ってきてしまうケースがあります。手に負えないほど認知症が進んでいる場合は、常に見守っておかなければなりません。周囲にかかる迷惑のことを考えると、施設への入所を検討するのも方法の1つでしょう。近隣住民や介護をしている人の負担を減らすためにも、無理をせずに施設へ入れることも家族で話し合ってください。

3-3.ゴミ屋敷化する前に片付けて治療相談をする

「ものが増えてきたな」「ゴミをためこむようになった」と思ったときに片付けることが大切です。ゴミ屋敷化する前に何らかの兆候が見られるため、見て見ぬフリをせずに早めに対処するように気を配っておきましょう。そして、早めに専門医へ治療相談をすることをおすすめします。認知症の方で収集癖が出ている場合、専門医を受診し治療方法を決めるべきです。認知症の主な兆候は以下のような症状があります。

  • 物忘れが激しくなる
  • 時間・場所・人物が分からなくなる
  • 計画を立てたり、手順を考えたりして行動することができなくなる
  • 素早く考えることができない
  • 同時に2つのことができなくなる
  • 必要なものだけを購入するなどの的確な状況判断ができない
  • 自動販売機など目に見えないメカニズムが理解できなくなる
  • 聞く・話す・読む・書くができなくなる
  • 人の顔や遠近感が分からなくなる

4.ゴミ屋敷化してしまったときの対処法

ここでは、ゴミ屋敷化してしまったときの対処法を解説します。

4-1.なるべく早めに片付けを始める

ゴミ屋敷は早期対応が重要だといわれています。放置期間が長くなればなるほど、ゴミや不用品の量が増えて片付けや処分に時間と体力がかかってしまうからです。大量のゴミを片付けるには、物理的な労力だけでなく、経済的な負担も大きくなります。また、認知症の方が固く心を閉ざしてしまった場合、開いていくには時間がかかってしまうでしょう。固く閉ざす前に適切な対応をとることができれば、スムーズにゴミ屋敷の不用品やゴミを片付けることができます。家族や親族で協力し合うことができればいいですが、なかなか人員が集まらないときは専門業者を利用しましょう。

4-2.専門業者にゴミ屋敷の片付けを依頼する

自分たちでの作業が困難な場合は、無理をせずにゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼してください。専門業者に依頼することで時間や手間をかけずスピーディーに片付けることができます。費用はかかりますが、体力的に問題がある場合は1番手っ取り早い方法です。専門業者に片付けを依頼すれば、後は自分たちでその状態をキープするだけなので、認知症の方にとっても家族にとっても楽な方法といえるでしょう。

4-3.不用品回収を行っている業者にお願いしよう

専門業者にゴミ屋敷の片付けをお願いする場合、できれば不用品回収サービスを行っているところに依頼してください。片付けと同時に、不用品の処分を請け負ってくれるからです。わざわざ自分たちでゴミを分別したり、処分するためにまとめたりする必要がありません。また、不用品の買取を行っているところに依頼すれば、不用品を買い取ってもらえる可能性もあります。買い取ってもらった分だけ処分費用が節約できるため、費用を節約したい方におすすめです。

4-4.専門業者選びのポイントをチェックしよう!

スピーディーに片付けを進めることができるかは、専門業者の腕にかかっています。中には、悪徳業者も存在しているため、十分に注意しながら業者を選ぶことが大切です。最低でも押さえておきたいポイントを以下にまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • ゴミ屋敷の片付け作業実績があるか
  • ホームページ等に作業事例が記載されているか
  • 不用品の処分や買取を行っているか
  • 無料見積もりや無料査定を受けつけているか
  • 口コミや評判がいいか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか

不用品回収・買取やゴミ屋敷の片付けサービスを行っているゼロプラスでは、無料相談を受けつけています。悩んでいる方はぜひ1度ご相談ください。

5.認知症とゴミ屋敷に関してよくある質問

認知症とゴミ屋敷に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.認知症になる原因は?
A.さまざまな原因がありますが、脳神経細胞が減少する原因に応じて大きく2つに分けることができます。それは、変性性認知症と二次性認知症の違いです。それぞれの特徴は以下のとおりとなります。

  • 変性性認知症:脳の神経細胞が変化することによって発症する認知症。アルツハイマー型や認知症を伴うパーキンソン病などがある
  • 二次性認知症:何らかの外傷や病気を原因として発症する認知症。脳血管性認知症や脳腫瘍などがある

Q.ゴミ屋敷を未然に防ぐ重要なポイントは?
A.こまめな連絡や訪問が大前提となります。認知症は誰しもなり得る可能性があるもので、決して他人ごとではありません。認知症の方の家では、同じ商品を異常なほどたくさんストックしていたり、食べかけの弁当や食品などをそのまま放置してたりしがちです。異臭やカビの温床となってゴミ屋敷化する傾向にあるため、こまめに家族や親族が訪問し様子を見てあげてください。1人暮らしの場合は、自治体に相談するといいかもしれませんね。

Q.認知症の人に対応する際の注意点は?
A.頭ごなしに叱ったり責めたりしないことです。勝手に外からゴミを拾ってきたり、人のものをとったりしてきたとしても、責めないようにしてください。認知症の方はなぜ自分がそのようにしたのかも分かりません。近所の人にとってはいい気持ちがしませんが、周囲の理解を求めることが大切です。近隣の人に認知症が出ていることを告げて、理解を求めましょう。

Q.ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際の費用はいくらぐらいか?
A.部屋の広さやゴミの量などで大きく異なりますが、ワンルームで約10万円~、戸建て住宅になると約30万円はかかるでしょう。具体的な費用に関しては、専門業者の無料見積もりを依頼してください。複数の業者を比較することで、最も安く抑えられる業者に依頼できるでしょう。ただし、安すぎる業者は後で追加料金を請求してくる恐れがあるので要注意です。

Q.どんなものが買い取ってもらえるのか?
A.商品の状態によって異なりますが、正常に使うことができるものなら買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。特に、中古でも需要があるブランドものや購入してから3〜5年以内の家電製品などは売れる可能性があります。「まだ使えるかも」と思うものは、1度査定を依頼してください。

まとめ

認知症の高齢者が増加していると同時に、ゴミ屋敷問題も深刻化しつつあります。どこに何を置いたのかすぐに忘れがちなので、要らないものをためこんでしまいがちです。本人で対処しきれないケースがほとんどとなるため、家族や近所の人が手を貸す必要があります。自分たちで作業が困難な場合は、ゴミ屋敷の片付けや不用品回収を行っている業者に依頼しましょう。プロの業者に依頼することでスピーディーな対処ができます。