成年後見人が家財整理をするときの注意点|処分前に確認したい本人の財産と進め方
「施設入所に伴い、成年被後見人の自宅を片付ける必要がある」
「成年後見人の判断で、古い家具や家電を処分してもよい?」
「家財が大量にあり、何を残して何を処分すればよいか判断できない」
成年後見人は、本人の財産を管理し、本人の生活や状況に配慮しながら必要な事務を行います【注1】。
本人が施設へ入所した、自宅を整理する必要が生じた、空き家になった住宅を片付けるといった場面では、家具や家電、衣類、書類などの家財整理が必要になることがあります。
ただし、本人の所有物は成年後見人自身の財産ではありません。
一見すると不要に見える物でも、本人にとって大切な物、財産的な価値がある物、今後の生活で必要になる物が含まれている可能性があります。
成年後見人が家財整理をするときは、「使っていないから処分する」と単純に判断せず、本人の意思、財産価値、今後の生活、処分の必要性を確認しながら進めることが大切です。
この記事では、不用品回収や家一軒の片付けに対応するゼロプラスの立場から、成年後見人が家財整理を行う際に確認したいポイント、残しておくべき物、処分業者へ依頼するときの注意点を解説します。
この記事は次のような方におすすめです
- 成年後見人として本人の自宅を片付ける必要がある方
- 施設入所後の家財整理を任されている方
- 本人の家財をどこまで処分してよいか迷っている方
- 大量の家具・家電をまとめて整理したい方
- 家財整理の記録や費用管理を適切に行いたい方
1.成年後見人は本人の家財を処分できる?
成年後見人は、本人の財産を適正に管理し、必要な代理行為を行う役割を担います。
法務省では、成年後見人等の役割として、不動産や預貯金などの財産管理に加え、本人の希望、心身の状態、生活状況を考慮して必要な支援を行うことを案内しています【注1】。
そのため、本人の生活環境を整えるために不要な家財を整理すること自体は、後見事務の中で必要になる場合があります。
一方で、本人の財産である以上、成年後見人が自由に処分してよいわけではありません。
本人の意思をできるだけ確認する
成年後見人は、本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況に配慮しながら事務を行うことが求められています【注2】。
本人が意思表示できる状態であれば、
- 残しておきたい家具
- 大切な写真や思い出の品
- 今後使いたい家電
- 家族に譲りたい物
などについて、可能な範囲で本人の希望を確認しましょう。
成年後見人から見れば価値がないように思える物でも、本人にとって重要な意味を持つ場合があります。
財産的な価値がある物を安易に捨てない
家財の中には、
- 貴金属
- 時計
- 美術品
- 骨董品
- ブランド品
- 比較的新しい家電
- コレクション品
など、売却できる可能性がある物もあります。
本人の財産を適正に管理するという観点からも、価値がある可能性のある物を一般の不用品と一緒に廃棄しないよう注意しましょう。
判断できない場合は、処分前に査定を利用する方法があります。
大きな財産処分は家庭裁判所への相談が必要になる場合がある
静岡家庭裁判所の案内では、本人の財産を適正に管理する観点から、大きな財産の処分や高額な物品の購入などを予定している場合は、事前に家庭裁判所へ申し出るよう案内されています【注3】。
日常的な不要品整理と、高額な動産の売却・処分では扱いが異なる可能性があります。
高価な家財や、処分の判断に迷う物がある場合は、自己判断で処分せず、監督している家庭裁判所へ確認すると安心です。
2.家財整理を始める前に確認したいこと
成年後見人として家財整理を行う場合は、いきなり不用品の搬出から始めるのではなく、まず整理の目的と本人の今後の生活を確認します。
なぜ家財整理が必要なのか整理する
成年後見人が家財整理を行う場面には、
- 本人が施設へ入所する
- 病院から施設へ移る
- 賃貸住宅を退去する
- 自宅を売却する予定がある
- 空き家となった住宅を管理する
- 安全な生活スペースを確保する
などがあります。
整理の目的によって、残す物や処分する範囲は変わります。
たとえば施設入所の場合でも、自宅へ戻る可能性があるのか、長期入所となるのかによって家具を残す必要性は異なります。
今後の生活で必要な物を先に分ける
施設や新しい住居へ持っていく物は、処分品と混ざらないよう先に分けておきます。
具体的には、
- 衣類
- 眼鏡
- 補聴器
- 日用品
- 写真
- 趣味用品
- 本人が希望する家具
などです。
必要品にはシールを貼る、別室へ移すなどして、片付け業者が誤って回収しない状態にしておくと安心です。
家財整理前の状態を記録しておく
成年後見人は、財産管理や後見事務について家庭裁判所へ報告する必要があります【注4】。
家財を大量に処分する場合は、
- 整理前の室内写真
- 処分した主な家財
- 買取した物と査定額
- 回収業者の見積書
- 請求書・領収書
などを残しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。
特に高価な物を売却した場合は、売却金額や入金先も記録しておきましょう。
本人と後見人の財産を混ぜない
家庭裁判所の成年後見人向け資料では、本人の財産と成年後見人自身の財産を明確に区別して管理するよう求めています【注5】。
家財の売却代金も本人の財産です。
後見人個人が受け取ったり、自分の物として使用したりせず、本人の財産として管理します。
3.慎重に扱いたい家財・書類
家財整理では、家具や生活用品だけでなく、財産管理に関係する物や本人にとって重要な物が見つかることがあります。
通帳・印鑑・有価証券
最優先で確保したいのが、財産管理に直接関係する物です。
たとえば、
- 銀行通帳
- 印鑑
- キャッシュカード
- 株式・証券関係書類
- 保険証券
- 不動産関係書類
などです。
家庭裁判所でも、成年後見人には本人の通帳や証書類を管理し、財産状況を報告することが求められています【注4】。
家財整理の際は、書類をまとめて廃棄する前に中身を確認しましょう。
現金・貴金属
タンス、引き出し、封筒、バッグなどから現金が見つかることがあります。
また、指輪、ネックレス、時計などが収納されている場合もあります。
片付け業者へ依頼する場合でも、可能であれば重要品は成年後見人側で先に確認しておくと安心です。
作業中に見つかった貴重品をどのように扱うかも、見積もり時に確認しておきましょう。
写真・手紙・思い出の品
写真や手紙などは、市場価値がほとんどなくても本人にとって重要な物です。
本人が判断できる場合は、可能な限り希望を確認しましょう。
本人が判断することが難しい場合でも、写真アルバムや記念品などは一般の不用品と分けて一時保管し、親族などへ確認する方法があります。
高価な家具・美術品・コレクション
古い家具だから価値がないとは限りません。
骨董品、絵画、茶道具、切手、古銭、オーディオ機器など、専門的な査定によって価値が付く物もあります。
不用品として廃棄する前に、買取可能か確認してみましょう。
ゼロプラスでは、不用品回収と買取を同時に相談できます。
医療・介護用品
本人が施設へ入所した場合でも、車いすや歩行器などは今後必要になることがあります。
また、介護用品の中には購入品ではなくレンタル品もあります。
所有者を確認せずに処分しないよう注意してください。
契約書・領収書
後見事務や本人の財産状況に関係する書類は、整理後も必要になる可能性があります。
家庭裁判所の成年後見人向け資料でも、通帳、契約書、領収書などの証拠書類を整理・保管するよう案内されています【注5】。
「古い書類だから」と一括して処分するのではなく、内容を確認してから分別しましょう。
4.施設入所・自宅売却に伴う家財整理の進め方
成年後見人が家財整理を行う代表的な場面が、本人の施設入所や自宅の整理です。
施設へ持っていく物を確認する
まず、施設側へ持ち込める物を確認します。
施設によって居室の広さや設備が異なるため、自宅の家具をそのまますべて移せるとは限りません。
施設と相談し、
- 衣類
- テレビ
- 小型家具
- 寝具
- 写真や趣味用品
など、本人の生活に必要な物を決めます。
自宅へ戻る可能性を確認する
施設へ入所したからといって、すぐに自宅内の家財をすべて処分してよいとは限りません。
本人が将来的に自宅へ戻る可能性がある場合は、生活に必要な家具や家電を残す判断も考えられます。
本人の生活状況、施設での見通し、親族や支援者の意見なども確認しながら進めましょう。
賃貸住宅の退去なら期限を確認する
本人が賃貸住宅に住んでいた場合、退去日までに家財を撤去する必要があります。
大量の家具や家電がある場合は、退去直前に始めると間に合わない可能性があります。
契約終了日が決まった段階で物量を確認し、必要に応じて回収業者へ見積もりを依頼しましょう。
自宅を売却・解体する場合は家財整理と不動産処分を分けて考える
本人の居住用不動産を成年後見人が売却、賃貸、取り壊しなどする場合は、家庭裁判所の許可が必要です【注6】。
現在本人が住んでいなくても、施設入所前に住んでいた住宅や将来戻る可能性のある住宅が「居住用不動産」に該当する場合があります【注6】。
家財整理そのものと不動産の処分は別の手続きですが、自宅売却のために片付ける場合は、先に売却手続きの進行状況や家庭裁判所への申立てについて確認しておきましょう。
処分する物・残す物をリスト化する
大量の家財を整理するときは、
- 施設へ移動
- 自宅で保管
- 親族へ引き渡し
- 買取査定
- 処分
- 判断保留
のように分類します。
部屋ごとにリスト化しておくと、処分の経緯も記録しやすくなります。
5.家財整理を業者へ依頼するときのポイント
本人の自宅に大量の家財がある場合、成年後見人だけで分別・搬出するのは大きな負担になります。
その場合は、家一軒の片付けに対応できる不用品回収業者へ依頼する方法があります。
見積書を取得して費用を明確にする
成年後見人が本人の財産から家財整理費用を支払う場合は、その支出が本人のために必要なものであることを説明できるようにしておくことが大切です。
作業前に見積書を取得し、
- 回収費
- 搬出費
- 作業人数
- 車両費
- 買取額
などを確認しましょう。
作業後は請求書や領収書も保管してください。
必要品と処分品を明確に伝える
片付け業者へ依頼する前に、本人の生活に必要な物、貴重品、保留品などを区分します。
ゼロプラスでは、大量の不用品について分別から搬出まで一括対応しており、一軒丸ごとの片付け事例もあります。
ただし、本人にとって必要かどうかを最終的に判断するのは業者ではありません。
成年後見人側で「残す物」をできるだけ明確にしておきましょう。
作業中に見つかった貴重品の扱いを確認する
家一軒を整理すると、
- 現金
- 通帳
- 印鑑
- 貴金属
- 重要書類
などが作業途中で見つかることがあります。
見つかった場合に作業を止めて連絡してもらうのか、別箱へ保管してもらうのかなど、事前に対応方法を決めておくと安心です。
買取できる物は査定を受ける
家財の中に再利用可能な物がある場合は、廃棄する前に買取査定を検討できます。
ゼロプラスでは不用品回収と買取を同時に行い、買取できる品物があれば査定額を作業料金から差し引いています。
本人の財産である物を売却する場合は、査定内容や売却金額が分かる資料を残しておくと、後から確認しやすくなります。
大量の家財は現地見積もりを利用する
家財整理の費用は、間取りだけでは正確に判断できません。
同じ3LDKでも、収納の中まで物が詰まっている場合と、家具が数点だけの場合では作業量が大きく異なります。
ゼロプラスでは、現地で物量を確認したうえで見積もりを提示し、了承後に作業へ進みます。
本人宅の物量が多い場合は、現地を確認してもらうと費用や必要な作業時間を把握しやすくなります。
片付け後の清掃も必要か確認する
賃貸住宅の退去や不動産売却では、家財を撤去した後に清掃が必要になることがあります。
ゼロプラスでは、家財整理や不用品回収に加えてハウスクリーニングも相談できます。
退去期限などが決まっている場合は、家財撤去から清掃までのスケジュールをまとめて確認しておくと進めやすくなります。
まとめ|成年後見人の家財整理は「本人の財産」であることを意識して進めよう
成年後見人が本人の家財整理を行う場合、一般的な引っ越しや不用品処分とは異なり、本人の財産を管理しているという点を意識する必要があります。
整理を始める前に、次の点を確認してください。
- 本人の意思を確認できるか
- 今後の生活で必要な物は何か
- 財産価値のある物が含まれていないか
- 通帳・印鑑・契約書などを確保したか
- 写真や思い出の品を分けたか
- レンタル品や他人の所有物がないか
- 高額な財産の処分について家庭裁判所への確認が必要ではないか
- 見積書・請求書・領収書などを保管できるか
成年後見人の家財整理では、「不要に見えるかどうか」だけではなく、本人の利益、本人の意思、財産価値、今後の生活を基準に判断することが重要です。
本人の居住用不動産を売却・取り壊す場合などは、家財整理とは別に家庭裁判所の許可が必要になるケースもあります【注6】。
また、大きな財産の処分や高価な物の扱いに迷う場合は、監督している家庭裁判所へ事前に確認しましょう。
家一軒分の家財を成年後見人だけで分別・搬出することが難しい場合は、専門業者へ依頼する方法があります。
ゼロプラスでは、不用品回収・買取のほか、大量の家財の分別・搬出、一軒丸ごとの片付け、ハウスクリーニングなどにも対応しています。
「施設入所に伴って本人宅を整理したい」「大量の家具や家電をまとめて片付けたい」「買取できる物を分けながら整理したい」といった場合は、本人の状況や残す物を整理したうえでご相談ください。












