対策まとめ! 孤独死を防ぐ方法&原因と遺体があった部屋の清掃など

はてなブックマークに追加
Twitterでシェア
Facebookでシェア

孤独死は重大な社会問題とされており、近年、件数も増えてきています。亡くなった方はもちろんのこと、家族も大変な無念をおぼえることでしょう。しかし、ひとりひとりが孤独死になってしまう原因や対策を知ることによって、孤独死を減らすことができるのです。

  1. 孤独死の基礎知識
  2. 孤独死を防ぐ対策について
  3. 身内が孤独死した場合の対策法
  4. 住人が孤独死した場合の対策法
  5. 孤独死の特殊清掃業者の選び方
  6. 孤独死対策についてよくある質問

孤独死対策について知りたい方、自分や家族が孤独死してしまうのではと心配な方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。孤独死を1件でも防ぐために、正しい知識を身に付けていきましょう。


1.孤独死の基礎知識

1-1.孤独死とは?

孤独死は、現在の法律では明確な定義はありません。自宅にてひとりで死亡している状態を孤独死と呼ぶことが多いでしょう。衰弱死・餓死・自殺といった死因があり、突然の疾患により救急車などの助けを呼べず死亡することもあります。

1-2.孤独死の原因・背景など

孤独死の原因の多くは、高齢者のひとり暮らし・家族や身内または近隣住民とのコミュニケーションがなくなったことなどがあげられます。また、自力での歩行や日常生活などが困難になり、家に引きこもる状態が続くことも原因と言えるでしょう。

1-3.孤独死が起こりやすい環境

孤独死は、以下のような環境・特徴で起こりやすいと言われています。

  • 高齢者
  • 独身者
  • 失業・定年などにより無職である

また、男性が孤独死する確率は女性の2倍以上で、これは女性のほうが外部や近隣住民と積極的にコミュニケーションを取ることが関係していると考えられています。

孤独死は、誰でも起こる可能性があるんですね。
はい。特に、高齢で1人暮らしの男性は孤独死のリスクが高まります。

2.孤独死を防ぐ対策について

2-1.厚生労働省による対策とは

孤独死を防ぐため、厚生労働省では、市役所の担当者による見守りをしたり、安否確認のための合いカギを預かったりといった対策が取られているのです。都道府県や市区町村によって対策事例が異なり、厚生労働省のHPにて事例一覧が紹介されています。

2-2.地域の活動

地域の民生委員・見守り機関など、ボランティア団体による声掛け・訪問なども孤独死対策になります。自治体や市区町村のHPなどでは相談窓口を設けているところもあるのです。新聞がたまっている・洗濯物が干しっぱなし・カーテンが開けっぱなしになっているなど、気づいたことがあれば相談してみるのもよいでしょう。

2-3.さまざまな活動・対策方法

企業も孤独死対策に乗り出してきているのです。代表的なサービスをご紹介します。

  • セコム:家の中で一定時間動きがない場合に通報するサービス
  • 東京ガス:ガスの利用状況を家族あてに毎日メールで知らせるサービス
  • NTTドコモ:携帯電話の使用状況を家族にメールで知らせるサービス
厚生労働省だけでなく、自治体でも孤独死を防ぐ取り組みをしているのですね。
はい。社会的に孤立しなければ、孤独死をある程度防ぐことができるでしょう。

3.身内が孤独死した場合の対策法

3-1.孤独死がおきてしまったら

3-1-1.遺体の取り扱い・葬儀など

遺体を発見した方が警察に通報し、家族は警察から連絡を受けることになります。遺体の引受人となったら、遺体の安置場所や搬送を手配する必要があり、これらは葬儀屋に依頼するのが一般的です。葬儀の日取りを決め、親族や関係者へ連絡をします。

3-1-2.孤独死があった部屋の清掃・片付け

遺体があった部屋を清掃する必要もあります。数日放置されていた場合には、腐敗臭やシミ・汚れ・虫などの害が出てしまっているでしょう。心休まる間もなく大変な労力と負担がかかりますが、遺体があった部屋はすぐに掃除しなければなりません。

3-2.清掃について

遺体があった部屋の清掃は、自分で清掃することはほぼ不可能です。遺体のシミ・におい・虫などの清掃は、プロに依頼したほうがよいでしょう。また、衛生面でも素人が掃除することは望ましくありません。

3-3.特殊清掃について

遺体のあった部屋の清掃を「特殊清掃」と呼びます。体液や血液汚れの清掃・死臭の消臭・害虫処理など、ハードな内容も特殊清掃の業務です。また、遺品の回収なども併せておこなうことが多いでしょう。風呂場・床・壁など、強い汚れがついてしまった部屋も、プロによる洗浄によりきれいにすることができます。

身内が孤独死してしまったら、清掃を行わなければならないんですね。
はい。保証人になっている場合は、原状回復の義務を負います。

4.住人が孤独死した場合の対策法

4-1.すべきこと

自分が管理しているアパートなどで、住人の孤独死を発見してしまった場合、まずは落ち着いて警察を呼びましょう。そして、連帯保証人や家族へ連絡します。

4-2.問題点

身元が判明しなかったり、家族が見つからなかったりして時間がかかってしまう場合でも、特殊清掃や消臭作業はすぐにおこないましょう。放置するほど汚れやにおいが周りにもれていってしまいます。基本的には、特殊清掃の費用は家族に請求することが可能です。また、孤独死が発生した部屋は、次の住人が決まりにくくなるでしょう。その際は、損害賠償として家賃の20%程度を請求することもできます。

4-3.身内がいない場合について

特殊清掃の費用は、連帯保証人が支払う義務があります。次いで、法定相続人・部屋の所有者(家主)となるのです。

まず、家族や保証人に連絡を取るんですね。
はい。大家さんが勝手に家財道具を処分することはできません。

5.孤独死の特殊清掃業者の選び方

5-1.特殊清掃の利点・やってくれること

特殊清掃では、死臭の消臭や、体液・血液の除去など、プロならではの清掃をします。消臭も、一般的な消臭剤ではなくオゾン発生器などを用いた消臭作業です。作業前後に臭度計を使って計測もします。また、家具や家電に死臭がついてしまった場合に、運び出しもしますので、遺品整理を並行しておこなっている業者を選びましょう。

5-2.特殊清掃士について

特殊清掃に関連する資格として、遺品整理士・事件現場特殊清掃士というものがあります。ただし、資格を持っていれば必ず特殊清掃士になれるというわけではありません。死臭や汚れ・虫などを、きちんと清掃するという責任感や使命感が重要です。

5-3.業者選びのポイント

特殊清掃を依頼する際の業者選びのポイントをご紹介します。

  • 料金だけで決めない
  • 遺品整理をおこなっている
  • 実績がある(取り扱ってきた清掃の件数など)

5-4.見積もりについて

孤独死の発見後、急いで特殊清掃をする必要があるものの、見積もりはきちんと取りましょう。費目・作業内容・金額を、きちんと書面やデータで提示してもらってください。できれば、複数業者に見積もり依頼をすると確実です。

5-5.料金について

特殊清掃は、清掃箇所によって料金が決まってきます。広い家でも、遺体の影響を受けた範囲によっては清掃範囲が狭い場合もあれば、逆に、狭い家でも家全体ににおいがしみこんでしまっているようなこともあるからです。基本的に、「ワンルーム3万円」などといった激安の業者は使わないようにしましょう。特殊清掃ではなくハウスクリーニングだけという可能性が非常に高いのです。清掃箇所ごとにきちんと見積もりを算出してくれる業者をおすすめします。例としては、床の清掃3万円・オゾン消臭3万円・浴室5万円……などです。

5-6.まずは相談を

特殊清掃は時間との勝負になります。床に付着した体液などは、時間がたつごとに浸透したりにおいが強くなったりしてしまうのです。無料見積もりや問い合わせを行っている業者に、ひとまずは依頼してみることをおすすめします。

5-7.注意点

悪徳業者の見極め方をご紹介します。

  • 他の業者よりも料金が安すぎる・高すぎる
  • 費目の表記があいまい(「作業料金」「特別料金」など)
  • 頼んでもいないリフォームなどをしつこく提案してくる
  • 料金を書面やデータでくれない(口頭だけ)
孤独死後の清掃は、専門の業者に依頼する必要があるんですね。
はい。一般的なハウスクリーニングでは依頼を受けてもらえません。

6.孤独死対策についてよくある質問

Q.遺品整理と不用品回収の違いは?
遺品は、お客様立ち会いのもと、品物を1点ずつ丁寧に整理し、供養まできちんとおこないます。一方不用品回収は、品物を回収するだけです。遺品整理には、遺品整理士という資格が必要になります。業者に依頼する際は、遺品整理士の資格もチェックしておくといいでしょう。

Q.遺品整理と特殊清掃の順番は?
同時に実施する業者がほとんどですが、事情がある場合は別の業者に頼む方や、別日に実施する方もいらっしゃいます。ただし、部屋の中の遺品に死臭がついていると、どんなに床や壁を消臭したとしても部屋の死臭は消えませんのでご注意ください。

Q.業者の作業までの流れは?
基本的な作業までの流れをご紹介します。

  • 問い合わせ・無料見積もり
  • 日程の調整
  • 訪問・本見積もり
  • 作業
  • 精算

Q.特殊清掃にかかる時間はどのくらい?
消臭に時間がかかるので早くても1日、長くて3日程度かかります。フローリングの張り替えなど、リフォームする場合は1週間程度かかることもあるでしょう。

Q.遺体が出たことを近所の方に知られたくないのですが・・・。
警察を呼ばなければならないため、近所がざわつくことはあるでしょう。特殊清掃・遺品整理を業者に依頼したことを知られたくないということであれば、ゼロプラスでは、無印のトラックで作業にお伺いしますのでご安心ください。

まとめ

孤独死が発生すると、家族・周囲の方が大変な思いをしてしまうのです。地域とのコミュニケーションや、家族との連絡など、今からでもできる孤独死対策があります。また、相続や死後の対応などを生前に整理しておく「老前生理」「生前整理」も着目されているのです。

万が一、孤独死が発生してしまっても落ち着いて対応しましょう。すべてを自分でおこなうことは不可能ですので、清掃や遺品整理など、プロに任せるべきことは任せてしまうのも手です。