故人のペット問題を解決! 飼い主を亡くしたペットの行き先は?

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遺品整理をするにあたって「亡くなった親が飼っていたペットはどうすればよいのか?」という問題が出てくる人もいるでしょう。高齢になると生活に張りを出すためにペットを飼う人が増えます。しかし、飼い主が先に亡くなってしまった場合、残されたペットはどうなるのでしょうか。

この記事では、行き場を失ったペットの対処方法や、ペットについて生前整理でまとめておくべきことなどをご紹介します。

  1. 遺品整理におけるペット問題とは?
  2. 故人が飼っていたペットの対処方法3つ
  3. 生前整理でペットのことをまとめておこう
  4. 故人のペットに関するよくある質問

この記事を読むことで、飼い主が亡くなったペットの現状や、ペットの面倒を見てくれるサービスのことなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.遺品整理におけるペット問題とは?

まずは、飼い主が亡くなった場合のペットの現状や問題点・今後の課題などをまとめました。

1-1.70歳以上の30%がペットを飼っている

現在の日本では、70歳以上の高齢者のうち、約30%がペットを飼っていることが分かっています。定年を迎え、子供も自立して家を出てしまったとき、ぽっかりと空いた心の穴を埋めるためにペットを迎え入れるケースも多いでしょう。ペットの存在は癒(い)やしでもあり、また、お世話をするために忙しくなるため、生活に張りが出ます。このように、高齢者がペットを飼うメリットはとても大きいといえるでしょう。

1-2.飼い主が突然亡くなった場合、取り残されるペットが多い

問題は、飼い主が亡くなってしまった後のペットの行き場所です。少子高齢化が進む今の時代、子供と離れて高齢者だけで暮らす世帯が増えています。その分、孤独死する高齢者も増加してきているのです。飼い主の遺体と一緒に、お世話をしてくれる人がいなくなって衰弱したペットも発見される、というケースも珍しくありません。弱ってしまったペットは、新たな飼い主が見つからなければ殺処分されてしまうこともあるのです。飼い主を亡くしたペットの命を守るために、私たちができる対策を考えることこそが、今後の課題といえるでしょう。

2.故人が飼っていたペットの対処方法3つ

ペットが飼い主を亡くしてしまったときの対処方法には、以下のようなものがあります。

2-1.新たな飼い主を探す

親族がペットを引き取るのが難しい場合は、知人や友人に引き取ってくれる人がいないか探してみましょう。しかし、「家族にアレルギー持ちがいる」「賃貸に住んでいる」などの理由で引き取りが難しい場合も多いと思います。そんなときは、インターネットの里親募集サイトを利用してみるとよいでしょう。無料で新しい飼い主を探すことができるため、おすすめです。ただし、すぐに引き取り手が見つかる保証はありません。できれば亡くなる前から新しい飼い主を探し始めておくとよいでしょう。

2-2.専門の施設を利用する

ペット版の老人ホームともいえる「老犬ホーム」「老猫ホーム」などに預ける方法もあるでしょう。新しい飼い主が見つかるまでの間、期間限定で預けられるコースもあります。100万円前後の費用はかかりますが、終身で面倒を見てくれるコースもあるため、故人がペットのためにお金を残している場合などは利用するのもよいでしょう。

2-3.動物愛護団体やNPO法人に相談する

動物愛護団体やNPO法人に相談すれば、事情によってはペットを引き取ってもらえる場合もあります。引き取りは難しくても、里親を紹介してくれるなど、相談に乗ってくれる可能性は高いでしょう。直接里親を探すより安心な部分が多いため、検討してみてください。

3.生前整理でペットのことをまとめておこう

亡くなってからペットのことで遺族が困ることがないよう、生前整理でペットの情報もまとめておくことをおすすめします。新たな飼い主を探す際に必要なのは、以下のような情報です。

3-1.基本的な情報

まずは、ペットの基本的な情報です。名前や種類・性別をはじめ、病歴や健康状態もまとめておきましょう。また、普段どんなものを食べていたか・かかりつけの病院はどこかなども詳しく記載してください。

3-2.血統書はあるか

血統書の有無は、ペットを引き取る上で重要な情報になります。血統書付きの場合は、血統証明書も一緒にまとめておきましょう。

3-3.避妊手術をしているか

引き取り手の中には、「1匹なら引き取れるが、増えるのは困る」という人も多いでしょう。避妊手術をしているかどうか必ず確認し、情報をまとめておいてください。

3-4.ペット保険に加入しているか

最近は、ペットの治療や入院にかかる費用を負担してもらえる「ペット保険」に加入する人が増えています。ペットを引き取る際に支払いの引き継ぎについても確認する必要があるため、加入の有無を確かめておきましょう。

4.故人のペットに関するよくある質問

「故人が飼っていたペットはどうすればよいのか?」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.故人が飼っていたペットの引き取り手が見つからないのですが、保健所に引き取ってもらうことはできないのでしょうか?
A.保健所は、飼えなくなったペットを引き取ってくれる場所ではありません。多くのペットは殺処分になってしまうため、気軽に依頼しないようにしましょう。

Q.「ペット信託」とは、どのような制度ですか?
A.飼い主が亡くなった後もペットが不自由なく暮らすことができるように、資金と場所を準備しておく保険のことをいいます。新たな飼い主に対して信託管理人が付き、きちんと飼育されているかチェックしてもらうことが可能です。

Q.老犬ホームに預けたペットと面会することはできますか?
A.基本的にはきちんと面会時間が用意されているため、いつでも会いにいくことが可能です。

Q.故人が飼っていた小鳥は、野生に返しても大丈夫でしょうか?
A.基本的には、野生に返すのは厳禁です。ペットショップや動物園などで引き取ってくれる可能性もあるため、問い合わせてみるとよいでしょう。

Q.生前整理はいつごろから始めるべきですか?
A.特に決まりはありませんが、できるだけ体力や気力・判断力があるうちから取りかかるとよいでしょう。

まとめ

遺品整理におけるペット問題の現状や、飼い主を亡くしたペットの対処方法などを詳しくご紹介しました。飼い主に先立たれてしまったペットの行き場を決めることも、家族がやるべき遺品整理の一つといえます。故人の意志を尊重してペットが幸せに暮らすことができるようにするにはどうしたらよいのか、ぜひこの記事を参考に考えてみてください。