もう、ごみの分別で迷わない! 処分の達人になろう

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ゴミの分別方法が細かくなっているこの頃、「このゴミはどう処分したらいい?」と迷うことが増えました。処分方法がわからないという理由で、不用品がゴロゴロしている家庭もめずらしくありません。そこで、今回は「そもそもなぜ分別するの?」という疑問を解消し、ごみの分別や粗大ゴミの処分方法がわかるようにまとめました。

  1. ゴミの分別について
  2. ゴミの分別の仕方
  3. ゴミの処分とリサイクルについて
  4. ゴミの処分、リサイクルの方法
  5. ゴミの分別に関するよくある質問
  6. まとめ

この記事を読めば、ゴミ分別の仕方がよくわかり、処分方法に悩んで不用品をためることもなくなります。


1.ゴミの分別について

1-1.必要性・目的

ゴミの分別は、なぜこんなに細かく・厳しくなったのでしょうか。政府の広報によると、以下のような理由があげられます。

1-1-1.必要性

  • 地球温暖化の原因になるフロンを回収するため
  • リサイクルにより、地球の限りある資源を節約するため
  • ゴミの最終処分場が不足しており、ゴミの量を減らすため
  • ゴミ焼却による有害物質を抑制するため
  • リサイクル資源を使い、輸入額を減らすため

1-1-2.目的

大きな目的としては、以下の二つが掲げられています。

  • 地球環境・生活環境を守る
  • 経済効果を上げる

上記の目的を考慮した結果、ゴミを分別しリサイクルすることが政策となっているのです。特に、資源を輸入に頼る日本では、リサイクルは経済振興において重要な課題とされています。

1-2.現状と今後

環境と経済を両立し、「循環型社会」を形成するため立ち上げられたのが「3R政策」です。環境省と経済産業省の両方が力を入れていることからも、その本気度が見て取れます。
3Rは、リデュース・リユース・リサイクルの取り組みの頭文字をとったものです。3Rは以下の順番で取り組むことが求められています。

  1. Reduce(リデュース):ゴミを減らす
  2. Reuse(リユース):中古品や部品を再使用する
  3. Recycle(リサイクル):ゴミを再資源化し、原料とする

具体的な方法として、割りばしやコンビニ袋を使わないことを呼びかけたり、各種リサイクル法を施行したりすることで、3R政策は進められてきました。リサイクルの義務化や違反者への罰則を科すことで、より徹底した3Rをめざしているのが現状です。
今後は、ゴミの量をさらに減らすことと、中古品の利用を促進することが大きな課題になっています。また、廃棄物処理施設での発電・余熱利用、バイオ燃料の生産拡大、生ゴミ等からのメタン回収によるバイオガス化などを効率的に行う努力がなされているところです。

2.ゴミの分別の仕方

2-1.種類

ゴミの分別方法は自治体によって少しずつ異なるため、お住まいの自治体の分別表を常にゴミ箱の付近に置いておくと便利です。以下は一般的なルールを例としてあげます。

2-1-1.可燃ゴミ

  • 台所の生ゴミ
  • 草・小枝
  • 紙くず・ティッシュ・紙おむつ
  • 繊維・革・ゴム類:靴・かばん・ゴム手袋など
  • 100%プラスチック製品:CD・DVDディスクなど
  • 大半がプラスチックの製品:ボールペンなど
  • 電池式の小型電気製品:おもちゃなど

※小型家電リサイクル対象品は除く

2-1-2.不燃ゴミ

  • 金属製品:なべ・やかん・かさ・マンガン電池・アルカリ電池など
  • コンセントを使う小型の電気製品・充電式の電気製品:固定電話機・アイロン・ドライヤーなど
  • ガラス・陶器:食器・花びん・白熱電球など

※「発火性危険物」として、ライター・スプレー缶・カセット式ガスボンベなどは別にまとめる
※蛍光管・蛍光電球は分けて出す
※小型家電リサイクル対象品・充電池・ボタン電池は除く

2-1-3.粗大ゴミ

30センチ角(自治体による)を超えるものは可燃・不燃ゴミには出せません。粗大ゴミ受付センターへ電話またはインターネットで事前に申し込み、粗大ゴミ収集日に出しましょう。手数料は品目別に決まっている金額を確認し、コンビニなどで手数料納付シールを購入して貼り付けます。手数料はふとん・じゅうたん・掃除機250円、石油ストーブ・自転車・鏡台500円などで、申し込みの際に確認すると良いでしょう。
※家電リサイクル対象品は除く

2-1-4.資源ゴミ

  • プラスチック製容器包装:「プラ」マークのついたもののほか、シャンプーなどのボトル類・卵のパック・お菓子の袋・レジ袋・発泡スチロールなど
  • 紙製容器包装:「紙」と書かれた紙製容器包装マークがついたもの。お菓子などの紙の箱・紙コップ・包装紙・紙袋など
  • 紙パック:牛乳パックなど
  • 新聞・雑誌・ダンボール
  • ペットボトル:お茶・ジュースなどのペットボトル
  • 空きビン・空きカン
  • 古布:服・タオルなど

2-1-5.自治体で収集しないゴミ

  • 家電リサイクル対象品:エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機

販売店などに引取を依頼するか、家電リサイクル品指定引取場所へ持ち込む

  • 小型家電リサイクル対象品:スマホ・タブレット・デジカメ・ゲーム・ラジオなど

小型家電リサイクルボックスの設置場所へ持って行く

  • パソコン

販売店・メーカーなどに引取を依頼する

  • 充電池:ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・小型シール鉛蓄電池などリサイクルマークがあるもの

二次電池リサイクルボックスの設置場所へ持って行く

  • ボタン電池

電器店などのボタン電池回収ボックスへ入れる

2-2.ゴミの処分の仕方・出し方

ゴミ出しのマナーとして、運搬中の危険がないことと、収集後の処理に困らないことを配慮しましょう。処理場での発火や作業員のけがなどの事故が、頻繁に起こっています。

  • 割れ物・刃物はくるんで、「刃物」などと書く
  • 石油ヒーターの灯油は完全に抜く
  • 新聞と雑誌は分けてまとめる
  • 電池は通電や液漏れに備え、分けて出す
  • ボトル・ビン・カンは中をさっとゆすぐ

2-3.自治体による違いについて

分別したゴミの収集方法と出し方は、自治体によって異なります。プラスチック容器包装を分別しない地域・メモ用紙などの「雑がみ(ざつがみ)」も分別している地域など、分別対象になる品目にも差があるのです。お住まいの地域のルール表に目を通し、手元に置くことをおすすめします。ゴミ分別マニュアルやゴミ分別アプリをネットで公開する自治体も多くあり、利用すると良いでしょう。自治体によって違いが出る点は以下のような項目です。

  • 資源ゴミは自治体が収集する
  • 収集拠点へ持ち込み
  • プラスチック容器・包装を分別する
  • 紙の容器・包装を分別する
  • ビン・カンなどを指定のカゴに入れる
  • 各種のゴミを指定の袋に入れる
  • 古布を畳んでヒモでしばる
  • 小型家電リサイクルの収集品目

ビン・カン・新聞など日常的に出るゴミは、家庭用の分別ゴミ箱などに分けて捨て、そのままゴミ出しができるようにすると良いでしょう。

2-4.注意点

ゴミの分別やリサイクルは国が主導していますが、実際の運用は自治体に任されています。分別・リサイクルを緩やかにしている地域には、以下のような理由があるでしょう。

  • 分別収集してもリサイクル処理の能力が追いつかない
  • 住民が分別・リサイクルに慣れるよう、徐々に実施していく

今のところ分別が厳しくない自治体でも、いずれは細かい分別方法や、自分で収集拠点へ持って行くルールに変わっていくことが予想されます。
なお、家電リサイクル法は全国一律に実施しており、エアコン・冷蔵庫などの対象品は規定に沿って処分することが必要です。

3.ゴミの処分とリサイクルについて

3-1.リサイクルの必要性・メリット

「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会が資源の枯渇・地球環境の悪化を引き起こし、持続不可能であることは、世界全体の問題として考えられています。現在、地球規模で廃棄物の量が増え、ゴミの多様化が起こっているのです。
適正処理が行われないゴミは、生活環境や公衆衛生を悪化させ、深刻な健康被害を引き起こします。
廃棄物の処分方法は、主に処分場に埋め立てるか、焼却処分です。日本では埋め立て場所が不足しており、これまでにもゴミの減量に努力してきました。埋め立てたゴミは土壌汚染の原因になるため、有害物質を取り除く分別をさらに徹底していきます。焼却ゴミも、ダイオキシンなどの排出を減らすには、適正な分別が必要です。焼却には大きなエネルギーを消費し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出するため、ゴミの減量が環境負荷の軽減に直結します。リユース・リサイクルはゴミの大幅な減量に役立ち、今後も成果を上げられる分野です。資源を節約し、地球環境を守るうえでも大きな効果を見込むことができます。

3-2.リサイクルできるもの・できないもの

ゴミのリサイクルはかなりの種類があります。生ゴミなども堆肥にできますし、各種の製品は分解して種類別に分け、原料として再商品化することができるのです。しかし、現実には分別収集と分解が困難であったり、処理に費用がかかりすぎたり、再商品化しても余ってしまうものなどはリサイクルができません。より有効なリユース・リサイクルの方法を、日々模索しているのが現状です。以下に一般的なリサイクル収集品と再生の例をあげます。

  • 雑誌 → ダンボール箱・紙筒・絵本・週刊誌
  • コピー用紙・紙パック → トイレットペーパー・ティッシュ
  • ペットボトル → カーペット・ユニフォーム・ペットボトル・結束バンド・ゴミ袋
  • 発泡スチロール → 包装用クッション材・文具・合成木材
  • ガラスビン → ガラスビン・住宅の断熱材・アスファルト舗装・タイル
  • スチール缶 → スチール缶・自動車・機械・建材
  • 生ゴミ → 堆肥
  • 家電製品 → ガラス・銅・アルミ・レアメタル(タングステン・コバルト・ニッケル・レアアースなど)・プラスチックなどに分解、原料化
  • 使用済み電池 → 鉄・亜鉛・マンガン・水銀などに分解、原料化

3-3.最近の傾向

近年はデジタル製品に多く含まれるレアメタルの再利用が促進されています。小型家電リサイクル法では、スマホやデジタル製品の収集に力を入れ、希少価値のあるレアメタルの鉱山としたい考えです。
また、単にゴミを減量することは限界があるため、リユース・リサイクルの「2R」がクローズアップされています。特に、中古品を流通させるリユースは消費者が努力できる活動です。製品を分解処理して原料に戻すリサイクルは、エネルギーや費用が多くかかり、再商品化した原料の用途も限られています。そのため、不要な製品をそのまま使うリユースが、より環境にやさしい方法であるとして奨励されているのです。

3-4.注意点

資源ゴミの分別を適正に行うポイントを以下にあげます。

  • 古紙再生(新聞・雑誌・ダンボール収集)の禁忌品(きんきひん):防水加工された紙・カーボン紙・感熱紙・のりがついた紙・セロハン・ファイルの金属は除外
  • 特殊な空きビン:化粧品や薬などの特殊なビンはリサイクルの対象外
  • 汚れのひどいもの:油がべっとりついているなど、洗浄に多くの洗剤や水を使うものは除外
  • 衛生上の問題があるもの:鼻水や血液など体液がついたものは混入しない

4.ゴミの処分、リサイクルの方法

4-1.自分でできること

  • レジ袋の辞退
  • 割り箸を使わない
  • 食品トレー無しの販売に協力
  • 詰め替え商品を購入、容器を再利用
  • 拠点収集のリサイクルに協力(ペットボトル・食品トレー・卵パック・牛乳パック・インクジェットカートリッジ・充電池など)
  • 衣服・バッグ・アクセサリーなどのリユース
  • 家具・家電などのリユース

4-2.リサイクルの仕方

リユース・リサイクルは、ビン・カンなどは慣れてしまえば簡単ですが、家具や家電となると処分方法に迷うことも多くなります。リサイクルショップへの持ち込み、インターネットオークションなどの方法もありますが、手間がかかることが欠点です。処分したいものが複数ある場合は、不用品回収業者を利用するのが簡単な方法でしょう。

4-3.不用品回収業者とは

不用品回収業者は再販できる不用品の買取を主な業務としています。買値がつかない製品であっても引き取ってくれる業者であれば、不用品をまとめて処分でき、最小限の手間で済むでしょう。買取の金額と運搬・処分の費用を相殺できることもメリットです。サービスは業者によって異なるため、以下のようなポイントを考慮して選びましょう。

  • 出張買取に来てくれる
  • 買取できる製品と、できない製品の引取をまとめて依頼できる
  • 家具・家電など引取できる品目が多い
  • 不用品が多い場合に対応できるトラック積み放題の料金設定がある

4-4.リサイクルの流れ

以下は弊社へリサイクルを依頼される場合の流れです。参考にしてください。

  • 不用品回収・買取の見積もり依頼

電話またはメールフォームより無料見積もり・査定を依頼する。訪問見積もりの日時を予約

  • 訪問見積もり・作業日予約

指定の日時に訪問。見積もり・査定額に納得できた場合は、作業日時を予約

  • 作業当日

予約した作業日時に、スタッフが不用品を搬出

  • お支払い

作業後、部屋を確認し、問題がなければ現金にて費用を支払う。買取品があった場合には、作業代金から買取額を相殺

4-5.料金

リサイクル品の運搬は、通常では一点ごとに収集・運搬料がかかります。リサイクルしたい家具・家電などが5~6点以上あるなら、不用品回収業者のトラック積み放題のセット料金を利用すると、費用が抑えられるでしょう。トラックの容量の範囲内ならどれだけ積んでも料金が変わらないため、引越や大掃除でも安心して利用できます。以下は弊社の料金設定です。

  • 軽トラックパック(家電5~6品程度):29,800円
  • 平車パック(1K~1DK程度):69,800円
  • 2tホロ車パック(1LDK~2K程度):99,800円
  • 2t箱車パック(2K~2LDK程度):119,800円
  • 4t箱車パック(3LDK~5LDK程度):219,800円

4-6.注意点

リユース(中古品)として再販するには、部品がすべてそろっており、故障していないことが条件になります。買取してもらえる家電は、製造から5年以内のきれいなものであると考えましょう。普通はリサイクルに出すためには、リサイクル券や粗大ゴミの手数料シールを購入したり、一点ごとに処分先を決めて運搬を依頼したりする必要があります。不用品回収業者の利用は、少ない労力と費用で不用品をまとめて処分できることが大きなメリットです。

5.ゴミの分別に関するよくある質問

5-1.小型家電リサイクルの対象品や出し方がよくわかりません

お住まいの自治体の広報を見るのが基本になりますが、環境省の「小型家電リサイクルポータルサイト」でも品目と回収場所を調べることができます。

5-2.家電リサイクル券とは何ですか?

家電リサイクル法の対象品(エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機)の排出にあたって、規定のリサイクル料の支払い証明となる券です。通常は郵便局で排出に先立って購入します。中古品として譲渡する場合や、販売店に引取を依頼する場合は購入する必要はありません。

5-3.紙容器包装のリサイクルとは何ですか?

「紙容器包装」のリサイクルは、小さなジュースのパック・紙カップとフタ・紙箱・紙袋・包装紙などあらゆる紙製容器も分別・リサイクルするものです。従来の新聞・雑誌・牛乳パックの古紙再生では特殊な紙は混入できません。紙容器包装のリサイクルでは防水加工した紙・プラスチックフィルム・アルミ箔(はく)を貼り合わせた紙などの複合品も、固形燃料や製紙原料として再生するのです。再生の難しい複合品を避け、「雑がみ」として特殊加工のない紙箱・紙袋・包装紙・メモ・封筒だけを分別・回収している自治体もあります。紙についてはリサイクルマークを整理して分別しやすくするため、改めて取り組みを進めているところです。

5-4.粗大ゴミの手数料やリサイクル料など、費用がかかるのはどうしてですか?

メーカーはゴミの再生処理を行うこと、販売店は収集・運搬を行うことが義務として課されています。違反した製造業者・販売者はペナルティを受けるなど、厳しい規制がかけられているのです。収集・運搬・再生処理には多くの費用がかかり、メーカー・販売店・税金だけでまかなうことはできません。ゴミを排出する消費者にも費用の一部をリサイクル料金などとして負担することが求められています。費用を抑えるためには、不用品を中古品としてリユースに回すことや、リサイクルセンターや指定引取場所へ自分で持ち込む方法が有効です。

5-5.急に引越が決まり、不用品の処分やゴミを分別する時間が取れません。

不用品回収業者のうち、「片付けサービス」を提供しているところに依頼すると良いでしょう。家具・家電などの不用品のほか、分別できていないゴミもスタッフが搬出してくれます。トラック積み放題のパックを利用すると不用品の量が確実でなくとも融通が利くため安心です。ただし、生ゴミは引き取ってもらえない点に注意しましょう。

6.まとめ

いかがでしたか? 今回は、ゴミの分別と処分の方法についてまとめました。なぜリサイクルをするのか、ゴミの分別はどんな種類があるかといった根本的な事柄と、処分の方法がわかっていただけたかと思います。日本のリサイクルは発展途上であり、今後も分別方法が変化し、洗練されていく余地が大きいです。自治体のリサイクル関連の広報に注意し、取り残されないようにしましょう。リサイクルの方法は煩雑ですが、ゴミの処分に困ったときにまとめてリサイクルしてくれる業者の存在は心強いものです。この記事を参考に、楽しいエコライフを実現してください。