老人ホームの選び方がよく分かる! 安心して入居するコツと注意点は?

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老人ホームの選び方でお悩みではありませんか? 老後を安心して過ごすためにも、なるべく妥協せずに選びたいものです。それに、入居費用はどのくらい必要か・将来介護サービスは受けられるのか、何かと知りたいことでしょう。まずは、老人ホームの種類と特徴を知り、自分が満足できる条件がそろっているところを選ぶことが大切です。

そこで今回は、老人ホームの選び方について詳しく解説します。

  1. 老人ホームにはどんな種類がある?
  2. 老人ホームの選び方10個のポイント
  3. 老人ホームの見学・体験入居で確認すべきこと
  4. 老人ホームを選ぶ際の注意点
  5. 老人ホームの選び方に関するよくある質問

この記事を読むことで、老人ホームを選ぶコツや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。


1.老人ホームにはどんな種類がある?

最初に、老人ホームの主な種類と特徴をご紹介します。

1-1.特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、通称特養と呼ばれており、原則として要介護3以上の介護認定を受けた人だけが入居可能です。特養は公的な施設であり、ほかの老人ホームと比べて入居費用が安く済むため、現在多くの人が待機状態となっています。なお、介護体制は24時間ですが、看護に関しては24時間対応である必要はありません。そのため、施設の状況によっては、医療依存度の高い人の受け入れができないこともあります。

1-2.介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている老人ホームで、以下のような特徴があります。

  • 施設ごとに入居費用の差が激しい
  • 24時間介護スタッフが常駐している
  • 看取(みと)りサービスがある

なお、介護付き有料老人ホームに入居した場合、デイサービスや訪問リハビリなどの介護サービスを受けることはできません。

1-3.住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、民間企業が経営する老人ホームのひとつです。入居しながら、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用し介護を受けることができます。レクリエーションや行事が多いのも特徴で、要介護度が低く、自由な生活を重視する人におすすめです。ただし、介護付き有料老人ホームと比べ入居費用が高い点や、将来介護度が上がった場合に、退去せざるを得ないケースがある点などがデメリットでしょう。

1-4.グループホーム

グループホームは、要支援2以上で軽度の認知症を患った高齢者向けの施設です。小規模経営であり、入居者たちが助け合ってなるべく自立した生活を維持することを目標にしています。グループホームでは、適切な認知症ケアを期待できる点が大きなメリットです。ただし、看護体制は24時間ではないため、医療行為が常時必要になると退所することになるでしょう。

1-5.軽費老人ホーム

軽費老人ホームは、自立もしくは要支援レベルの高齢者向けの施設です。社会福祉法人や地方自治体が運営母体で、基本的な日常生活のサポートを主体としています。食事を提供する「A型」と食事を提供しない「B型」があり、入居費用が安価なのが特徴です。ただし、常時介護が必要な状況になると、そのほかの老人ホームに移る必要があるのがデメリットでしょう。

2.老人ホームの選び方10個のポイント

老人ホームを選ぶときのポイントを10個解説します。

2-1.立地

老人ホームを選ぶときは、立地を確認しましょう。主なポイントは、以下のとおりです。

  • 公共交通機関や車でのアクセス条件
  • 施設周辺の治安

ほかの条件がそろった施設でも、家族が通いにくい立地にあるのでは何かと不便でしょう。通いにくい立地にあることで、家族が顔を出さなくなりがちです。また、いざというときにすぐ駆けつけることができない点でも、困ります。

2-2.入居条件

老人ホームには、それぞれに入居条件があります。いくら入居を希望しても、条件によっては入居を断られる場合もあるのです。よくある入居条件には、以下のようなものがあります。

  • 年齢
  • 要介護度
  • 認知症の有無
  • 医療依存度
  • 保証人・身元引受人の有無
  • 入居者自身の収入

2-3.居室の環境

居室の環境は、老人ホームでの暮らしに大きな影響を与えます。まずは、以下の点をチェックしてみてください。

  • 日当たりはいいか
  • 広さは十分にあるか
  • 騒音や振動は気にならないか
  • 生活に必要な設備は整っているか
  • プライバシーを確保できるか
  • そのほかに気になる点はないか

2-4.費用

老人ホームに入居するためには、多額のお金が必要になります。入居費用の主な内訳は、以下をご覧ください。

入居時の費用

  • 契約金
  • 洋服や下着など身の回り品の購入費
  • 家具・家電購入費
  • 引っ越し費用

毎月の費用

  • 居住費
  • 施設管理費
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 介護サービス利用費
  • 医療費
  • 消耗品費(ティッシュペーパー代・オムツ代など)
  • そのほかの費用(レクリエーション費・小遣いなど)

初期費用が工面できても、長期間入居すれば毎月の費用がどんどんかさみます。何年くらい入居するか想定し、支払い続けることができるか確認してください。年金や預金などで十分にやっていけるのか、施設に相談して支払いのシミュレーションをしてもらうのもいいでしょう。

2-5.食事

食事は、老人ホーム入居後の楽しみのひとつです。食事の質は、老人ホームごとにまちまちなので、特に注意してチェックする必要があります。まずは、どんなメニューが出されるのか、量や味つけ・嚥下(えんげ)食対応や介助レベルはどうかなど、細かく調べましょう。食事の質は、入居後の健康寿命を大きく左右するので、軽く見てはいけません。

2-6.介護サービスのレベル

要介護者や要支援者は、介護サービスのレベルも重要なポイントです。介護保険適用内満足できるか、また、介護保険適用外でどんなサービスを受けられるのかがカギとなります。安価な老人ホームでは、入居者ひとり当たりの職員数がギリギリになるため、十分な介護サービスが受けられないこともあるでしょう。なるべく自立を促し介護度を上げないためにも、老人ホームを選ぶときに介護サービスのレベルをしっかりチェックしてください。

2-7.医療ケアのレベル

高齢者は健康状態が急変しやすいため、すぐに適切な医療ケアを受けられることが必要です。医師や看護師は常駐か・十分な人数を確保できているか、周辺の病院との提携はきちんとしているか、など細かく見ておきましょう。医療従事者の人手が足りず、十分なケアを受けられないのでは、困ります。

2-8.レクリエーションの内容

老人ホームでは、身体能力や認知機能を衰えさせないよう、さまざまなレクリエーションが行われています。多くの場合、希望者による自由参加となるものの、興味を持てる内容かどうかは大切なポイントです。入居生活の中で適度に刺激を受けることができ、ほかの入居者と交流を深めるきっかけにもなるため、忘れずにチェックしておきましょう。

2-9.運営団体の経営状況や方針

老人ホームを選ぶときは、運営団体の経営状況や方針を調べておくことも必要です。運営団体の経営が不安定だと、今後人手不足や経費削減のあおりを受け、サービスの質が落ちる可能性があります。また、いきなり倒産となれば、支払い済みのお金が戻らずに困ってしまうこともあるのです。また、運営団体の方針が合わないようでは、毎日のストレスになるのでおすすめできません。

2-10.利用者の口コミや評判

利用者の口コミや評判は、老人ホーム選びに欠かすことができないポイントです。家族が面会に行っても態度が悪い・入居者に雑な対応をしているなど、悪い口コミがあるところは注意してください。多くの人が悪い評価をしている老人ホームは避けたほうが賢明です。なお、なるべく多くの口コミや評判をチェックすると、公平な視点で判断できます。

3.老人ホームの見学・体験入居で確認すべきこと

老人ホームを選ぶときは、見学や体験入居を活用し、気になる点をチェックしておきましょう。

3-1.スタッフや入居者の雰囲気がいいか

見学や体験入居では、スタッフや入居者の雰囲気がいいかを見てください。パンフレットには、職員や入居者が和気あいあいと交流している写真が多く載っていても、実際には真逆のこともあります。見学や体験入居の際に、職員の顔色が悪い・笑顔がないところはおすすめしません。また、入居者の落ち着きがない・職員に怒られていたりキツい言葉をかけられていたりするのが目立つようでは、先が思いやられることでしょう。

3-2.清掃や整理整頓が行き届いているか

施設の清掃や備品の整理整頓が行き届いてるかどうか、チェックしておきましょう。人手が足りており、教育が行き届いていればきちんと清掃・整理整頓してあるはずです。すぐに散らかるから・多少汚れていても問題ないなどと考える施設では、いけません。ものが散らかっていれば、つまずいて転倒・寝たきりになるリスクもあるのです。汚れがたまっていれば、雑菌やウイルスに感染しやすくなるでしょう。清掃や整理整頓は、安全かつ健康な入居生活を送るためにも重要です。

3-3.私物の持ち込みはどの程度可能か

老人ホームによって、私物を持ち込める量に差があります。高齢者が慣れない環境で暮らしていくためには、愛用品を多く身の回りに置き、今までの暮らしをなるべく変えないことが大切です。愛用品を多く持ち込めるかどうか、見学や体験入居のときまでに確認してください。実際に持ち込んでいる人がいて、楽しく暮らしているのなら安心です。

3-4.安全に入浴できるか

安全に入浴できるか、きちんと入浴介助してもらえるかは、必ずチェックしておきましょう。最近、老人ホームでの入浴事故が増えています。高齢とはいえ、大人を安全に入浴させるには、高度な技術と体力が必要です。思わぬ入浴事故を避けるためにも、見学や体験入居で、浴室の構造や入浴介助の方法・レベルを見極めるようにしてください。不安が残るときは、必ず職員に質問して解決しておきましょう。

4.老人ホームを選ぶ際の注意点

老人ホームを選ぶときの主な注意点を詳しく解説します。

4-1.パンフレットが豪華すぎるところは要注意

パンフレットが豪華すぎるところは、注意したほうがいいでしょう。広告宣伝費に重点を置きすぎて、本来のサービスが手薄になっていることがあります。豪華なパンフレットを手にすると、実際以上に良い施設に錯覚してしまうものです。しかし、実際に入居したものの、高い費用の割にサービスの質が悪いとなれば、不満が残ることになるので気をつけてください。

4-2.寝たきりにさせるところは避ける

老人ホームでも、なるべく日中は活動量を増やして自立を促すところが理想的です。適度な運動や刺激は、身体能力の低下を防ぎ、認知症の予防にもなります。最初から寝たきり状態の人以外は、要介護度や認知症が進まないよう、きちんとケアしてくれるところを選ぶべきです。職員の人手不足や予算不足を理由に入居者を放置するところを選んではいけません。

4-3.看取りまで依頼できるかも大切なポイント

老人ホームには、生涯入居する予定で入ることが多いでしょう。たとえば、終末期を迎えたときでも、看取りまで依頼できるかどうかでは安心度も違ってきます。老人ホームへの入居に当たって自宅を処分した人や、子どもたちの世話を受けられない人は、看取りサービスがあるかどうかも大切なポイントです。まだ先だから何とかなると考えず、入居前にきちんと考えて選ぶようにしましょう。

5.老人ホームの選び方に関するよくある質問

最後に、老人ホームの選び方に関する質問に回答します。それぞれ役立ててください。

Q.入居者本人の希望を優先すると予算をはるかに上回るのですが?
A.まずは、どんな点が予算を圧迫しているのか確認しましょう。希望する施設への入居費用が用意できないのなら、入居者本人とよく話し合い、いくつか妥協してもらうことも必要です。

Q.入居費用が高い老人ホームに入居すれば安心?
A.確かに、高額な老人ホームに入居すると、質の良いサービスが得られやすいのは事実です。しかし、都心の老人ホームなど、立地が入居費用に大きく影響していることもあります。入居費用の高さに見合ったサービスが受けられるか、きちんとチェックしておきましょう。

Q.生活保護を受けながら老人ホームに入居することはできる?
A.可能です。ただし、選択範囲が限られます。生活保護費の範囲で支払いが可能なことが条件となるため、特別養護老人ホームが第一の選択となるでしょう。なお、最近では、民間経営の有料老人ホームでも生活保護受給者の受け入れを行っている場合があります。詳しくは、担当のケアマネージャーに相談してみてください。

Q.小規模の老人ホームに入居するメリット・デメリットは?
A.以下を参考にしてください。小規模の老人ホームは、人によって合う・合わないの差が激しいので、何度か見学・体験入居を行って選ぶことをおすすめします。

メリット

  • 入居者ひとりずつに目が届きやすい
  • 家族で生活するような温かさがある

デメリット

  • 人や方針が合わないと孤立しやすい
  • 看護師が24時間常駐しないので急変時の対応に不安が残りやすい

Q.老人ホームの入居前に家を片付ける場合の注意点は?
A.生前整理で豊富な実績を持つ業者に依頼するといいでしょう。長年住み慣れた家を片付けるのは想像以上に大変です。なるべく短期間に効率よく家を片付けるためにも、仕分けから不用品処分までを一括で依頼できる業者を選びましょう。なお、当ゼロプラスでも生前整理から不用品の片付けまで、トータルにお手伝いしています。まずは、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、老人ホームの選び方について詳しく解説しました。老人ホームを選ぶときは、入居費用・居室条件・立地・食事内容・介護サービスの有無など、さまざまなポイントをチェックして決めましょう。入居費用が安くても、サービスの質が悪ければ高い買いものになってしまいます。まずは、何を一番重視するかを考え、優先順位をつけて候補を絞るといいでしょう。実際に老人ホームを選ぶときは、なるべく多くの人の口コミや意見も参考にすることをおすすめします。なお、今から身の回りの不用品を片付けておけば、老人ホームへの入居もスムーズに進むことでしょう。不用品の処分は、信頼できる不用品回収業者に依頼すると便利です。